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VI ページ6

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「おはようございますー!」


降ろされたのれんを、つま先立ちして上に掛ける。その後に、私は店主のおばあちゃんに挨拶をした。すると、「おはよう」と優しい笑みを返してくれるので、昨日も頑張ろうと思えるのだ。
エプロンを身につけようと裏へ行った時、せっせとねりきりをつくっているおじいちゃんにも声をかける。今日もよろしくな、と笑うおじいちゃんはびっくりするほど元気。夫婦二人で60年ほど続けてきたこのお店は、どこをみてもなんだか祖父母の家に帰った気分になる。

着物も邪魔にならないようにまとめて、髪をまとめる。おばあちゃんが腰を痛めた時に介護をしに来てくれたお礼よ、といわれて受け取った簪は仕事の時以外でもつけている程のお気に入り。そういえば、十四郎も綺麗と言ってくれたな。


「(次は綺麗な口紅を見せよう)」


そう思って、乾いた唇を舐める。

気づいたのは、外に出て掃除をしようと竹箒を手にした時だった。川の向こう側で忙しそうに走り回る黒の隊服。それが誰なのかは分からなかったが、彼に見えた。



「(そっか、もう、もう、)」


綺麗だなんて言ってくれることはないんだ。

分かりきっていたことなのに、初めて理解したような気持ちだった。それがわかった時には、腹の中で魔女がぐつぐつと恋病のスープでも煮込んでいるようだった。薬だって、量を間違えれば毒となる。恋だって、愛になって深入りすれば、離れた時の傷は深くなる。同じだ、踏み外せば毒となる。

愛も、恋も、薬も、酒も。どれもこれも、人間を助けたり、魅力的にする。かえって、行き過ぎたものは毒となる。
天秤が釣り合うように、上手に、慎重に考えるのだ。


それが多分、賢い人間と言われる条件なんだろう。





ならば私は、馬鹿だ。大馬鹿者だ。




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湯木(プロフ) - ゆうひさん» 返信有難うございます( ;; )本当の事ですよ!この小説の設定が私の性癖に刺さりすぎて辛いです.......季節の変わり目で風邪の引きやすい季節になってきているのでゆうひさんのお身体に負担がかからないぐらいで更新頑張ってください!応援してます! (2019年5月24日 23時) (レス) id: 8f94a810be (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - 湯木さん» 飛んできてくれてありがとうございます~!!私が銀魂夢を書き始めた頃からお世話になってる愛しのお友達ちゃんです笑エモさを感じてくれてめちゃくちゃ嬉しいです~!!!!ワー!!本当のことならば幸せです… (2019年5月24日 0時) (レス) id: cee43a9737 (このIDを非表示/違反報告)
湯木(プロフ) - 堕天使さんの所から飛んできました!堕天使さんの作品を読む前に題名が目に付いて後で読もうと思っていたのですがまさか堕天使さんのお友達だったとは!!ほんとにエモくて死にそうです.......。類は友を呼ぶって本当なんですね! (2019年5月24日 0時) (レス) id: 8f94a810be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆうひ | 作成日時:2019年5月19日 23時

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