才媛のヴァイオリニスト[Alan_S] (ページ24)

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響ページ24

『亜嵐達遅いな...』

時間が経つのは早く、気づけばもう6限目。

亜｢おまたせっ！｣

『遅いよ！どこ行ってたの？』

涼｢まぁちょっとね。｣

『ちょっとって...』

隼｢あっ！始まる！｣

ホールの照明がだんだん暗くなり、ステージにライトが当てられる。

ステージの端から響が出てきて、真ん中に立つと
スラッとした体を堂々と観客に向けしなやかに礼をした。

｢｢ｷｬｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｱ！！｣｣

その途端、学校中の女子からは歓声の嵐で静かに演奏を聴きたいこちら側からすると演奏者への冒涜だとも感じられる。

亜｢...｣

『...っ』

響の演奏が始まり、その音色がホールに響き渡ったその瞬間。

何度も聴いてきた演奏であるはずなのに、新しい音楽に出会ったようなワクワク感や呼吸を忘れてしまうような迫力に身が縮む。

『やっぱりすごい...』

亜｢んね。｣

涼｢ふふ...｣

『何で笑うのよ...』

涼｢後でわかるって。｣

私の左右の席に座る2人は、ニヤニヤ笑いながら演奏を聴いている。

一体なんなんだ、そう思っているうちにいつの間にか演奏は終わっていた。

響｢ありがとうございました！
えー、まずは自己紹介をさせてください。｣

｢｢ﾜｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ!!｣｣

響｢蓮見響です。
今回は鑑賞会ということで、呼んでいただきましたが本当は私もずっとこの学校に来たいと思っていて...｣

女生徒｢えっ♡｣

女｢どういうこと？♡｣

響｢実は...どうしても会いたい人がいたんです。｣

｢｢ｷｬｧｧｧｧｧｧｧｧ ! !｣｣

女｢誰誰！？｣

女｢絶対恨んでやる！｣

『ちょっと待って。』

響｢どうしてもお前ともっかい演奏したい。｣

『やめて。』

響｢A、前に出てきて。｣