才媛のヴァイオリニスト[Alan_S]

苦しみ ページ37

『はぁっ...はぁ...』

亜｢はぁ...ケガ、してない？｣

『うん...っ.....ありがと...』

亜｢A。｣

『ん？＿＿いてっ』





振り返ると、なかなか強めのデコピンをくらった。





亜｢俺がいなかったらどうするつもりだったの！｣

『う...』

亜｢女の子が夜一人ってだけでも危ないのに...
Aは可愛いんだからもっと用心しなさい！｣

『.....ごめんなさい。』

亜｢...そんな顔すんなっての｣






怒っていたはずだったのに、亜嵐は急に顔を真っ赤にさせて目を逸らす。





『そういえばなんでここに？』

亜｢え？｣

『亜嵐の家こっちじゃないじゃん。』

亜｢あー、それは...｣

『まさか...つけてきたとか...？』

亜｢ち、ちげーよ！俺は...そこの病院に...｣

『病院？』





私の家の近くには大きな病院があり、亜嵐はそこへ行くため私と同じ方向に来て 襲われている場面に遭遇したらしかった。





『病院って、どこか悪いの？』

亜｢別にどこも......っ！｣

『亜嵐...？』






亜嵐はゼェゼェと荒い息で、胸を抑えながら座り込んだ。






『顔真っ青だよ！？』

亜｢悪い...っｾﾞｪｾﾞｪ.....ちょっと...走りすぎて...｣

『私...水買って...』

亜｢行くな...！｣

『でも...』

亜｢...っ...大丈夫...じゃない...かも＿＿｣




亜嵐はそのまま倒れ込んだ。




『亜嵐！亜嵐、しっかりして！』

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