志 麻 カ レ シ .

か ん せ つ き す . ページ6

煩かった蝉の声も少しずつ静かになってきた頃

どちらにせよ暑いもんは暑いんやけどさ、汗だっらだらやでほんま


『しぁくん〜レモンティー頂戴』

「しぁくんじゃなくて志麻くんやで俺は」

『志麻くんレモンティー』

「ほい」


ぽい、と投げると慌てて受けとる


生き返る〜とにへにへしながら飲んでるA


『そっち置いといて』

「はいはい、人扱い荒いなぁ…」


しょうがなくテーブルでそれを置くとゲーム機を手に取る

スタート、を押すとテレッテレッテーとお馴染みの歌が流れる


「…A〜飲みもんくれ」

『はーい』


左手を出すとひんやりとしたものが手が乗り、蓋を開ける

喉につぅ、と流れるレモンティー


「…ん？」

『どうしたの？』


待って俺飲んでるのレモンティーちゃう？え？


冷静になって停止ボタンを押して振り返るとにんまりと笑ったAがいた


『あれぇなんで赤くなっとるん？』

「…確信犯」

『関節キスくらいええやん』


ぶー、と口を膨らませる彼女さん


『あ〜なんかまた喉乾いたレモンティー貸して』

「自分で取りきぃや」

『めんどくさい〜』


渋々四つん這いになってレモンティーのある俺の足の間に手を伸ばした

俺は肩に乗ってるAの手を触って


「A」


ぼそ、耳元で小さく呟く


『ちょ、…』

「俺のが一枚上やね」


振り返り際に軽く口を塞いだ


おかげさまでコイツの顔はさくらんぼ並みに真っ赤になった

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