志 麻 カ レ シ .

さ い ん . ページ12

『んぬ〜…』

「何してん？」

『これ！』


キラキラとした笑顔で淡い紫のバッグを見せた

なんかよくライブで見かけるヤツやな


「なんやっけ、痛バ？」

『それ！』

「よくライブで見かけるわぁ」


がさがさと持ってきたであろう缶バッチを手に持つ


ん…？これって志麻のちゃう？


コイツってセンラーやったよな？


「センラさんちゃうん？」

『お兄ちゃんは別に推してないし、第一私志麻リスなんやけど』

「まじ？」


今までずっとセンラーやと思ってた


Aがリスという事実に、頬を緩ませながら隣に座った


今はどうやら配置を決めてるらしい、良くもまぁ考えるなぁ…

そう思うとみんな凄いわ


『あとで見せるからご飯作って』

「えぇ…家帰って食べろや」

『志麻くんと食べたいの！』


背中をぐいぐい押されて部屋を出された


…しゃぁない、作業部屋使われてるし飯作るかぁ



…



……



………



「こんなもんでええか」


軽く飯を作ってエプロンを外して椅子にかける

テレビつけて待ってるかと座ってるとAが作業部屋から出てきた


『出来た！』

「見せて見せて」


はい、と渡された例の痛バ。


綺麗に缶バッチやグッズが配置されていた

すぐリスだとわかるように紫基準であり、限定であろうグッズまである


「すごいなぁ…」

『でねでね、これ見て』


１つだけ空間のところに１つの缶バッチを出してきた


それを後ろにすると、俺のサイン入りのやつ


「うわ当たったん？」

『うん！お兄ちゃんのも当てた』

「そりゃすごい」


クジ運にびびっていると１つの考えが頭を横切る


「ちと貸して」


そういって借りた痛バにささっとマッキーでサインを書いた

これバレたら叩かれそう


『えっええの？』

「えぇのえぇの、センラさんの妹だし大丈夫やろ」

『んんありがとう〜』


抱き付きながらお礼をいってくるAの頭に軽く口をつけた


こんな可愛い彼女がわざわざ痛バまで作って応援してくれると考えると頬が緩みきる

なんだこれ最高過ぎる


「次のライブもくるん？」

『もち！』

「見つけ次第なんか合図するわ」


まぁ叩かれようと本当のことやし別にえぇかななんて


だって俺一般人やし？


恋愛したいし？


今のが幸せやしなぁ、


『歌ってる志麻くんもいつもの志麻くんも大好き』

「もう可愛すぎて志麻死んでもえぇ」

『それは困る』


彼女の笑顔がこれからも見られるように頑張るか

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