【歌い手】僕だけのシンデレラ。【あほの坂田】 (ページ5)

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落ちた瞬間ページ5

そういえば。

美緒に、誰のライブか聞くの、忘れてた。

……まあいっか。

どうせついてくだけだし。

そうこう考えるうちに、ライブが始まった。

出てきたのは、キラキラの衣装を身に纏った四人組。

瞬間、キャーーーッと熱狂する会場内。

名前は……浦島坂田船？

何がなんだか全く分からない私に、美緒が声をかけてきた。

「…A！あの緑っぽい人がうらたん…うらたぬきで、あの紫っぽいのが志麻さん！赤いのがさかたん…あほの坂田って言うの！でねでね、あの黄色い感じのが私の推しのセンラさん！ね、かっこいいでしょ！Aもファンになろうよ～」

一気に言葉をまくし立てられて、何がなんだか更に分からなくなる。

まあ確かに、舞台の上の人たち、かっこいい。

言ったらつけ上がるから、美緒には言わないけど。

「あっ、曲始まるよ！」

想像以上だった。

思わず、心を奪われた自分がいた。

「…上手い」

今度は、口から出ていた。

それを聞き逃さないのはさすが美緒である。

「…でしょっ！？あ、ほら、この後さかたんのソロパートだよ」

ビブラートがいいよね～なんて小声で言ってくる美緒の話は、すでに聞いていなかった。

きっと、恋に落ちるとはこういうことを指すんだろう。

気持ちいいくらい綺麗な音に、その後の私は彼に釘付けだった。

「…こりゃ落ちたね」

美緒がそう呟いて笑ったのも、私には上の空だった。

――こうして私は、彼のことを好きになった。

彼の歌に勇気をもらって、歌うようにもなった。

――誘ってくれた美緒にも感謝しなくちゃね。

でも、私が歌うのが、少しでも近くにいたいからとか、そういう理由もあることは、誰にも言わない、私だけの秘密。

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早くライブ参戦したいなあ……
さかたんのソロ、ほんと好き。意外とチャンカパーナが好きだったりする。。