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「んじゃ、またな」
「はい!…あの、」
「んー?」
「良かったら、また一緒にご飯とか…」
「……おー、Aちゃんならいつでも大歓迎だ」
「ほ、ほんとですか…!」
「んなことで嘘つかねーよ。また近いうちにな」
「はい!」
それじゃ、おやすみ。と笑った彼に、私もおやすみなさいと手を振った。
ちゃんと私が家に入るのを見届けている辺り、彼は本当に優しい人だと胸が温かくなる。
もうすっかり夜だ。
日中は花で溢れている玄関も、今は綺麗に片付けられている。
扉をゆっくり開けたものの、嬉しくてにやけが止まらなかった。
「…屁怒絽さん、ただいまです」
何やら花の世話をしているらしかった大きな背中が、ゆっくりと振り返る。
「あぁ、Aさん。おかえりなさい。楽しかったですか?……あれ、なんだか顔が赤いですよ」
「……屁怒絽さん、私ちょっと幸せすぎて怖いです」
「はは、Aさんは本当に坂田さんがお好きですね」
「……そ、うですね」
「良いことがあったんですね?是非聴かせてください」
屁怒絽さんは楽しそうに目を細める。
屁怒絽さんはどうやら私の恋を応援してくれているようで、こうして恋バナに花を咲かせることも私の一つの楽しみだった。
いつまでも屁怒絽さんを怖がっている様子の銀時さんに知られたら、とんでもないと驚かれてしまいそうだ。
「あのですね、」
些細な、本当に小さな恋心。
だけど私にとっては大切なもので。
この幸せを誰かと共有したくて、眠気も感じずに屁怒絽さんと夜通し話し続けた。
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日向(プロフ) - 由菜君さん» わああ嬉しいです…!!!キュンキュンして頂けて良かったです!ありがとうございました…! (2021年2月12日 13時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 381さん» そう言っていただけてとっても嬉しいです!!こちらこそ素敵なコメントありがとうございました…! (2021年2月12日 13時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
由菜君 - めちゃくちゃキュンキュンしました、、!すっごく良かったです! (2021年2月9日 21時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)
381 - 神楽ちゃんがおもしろくて、、、一気に読ませていただきました!とっても素敵な作品をありがとうございますッ! (2021年1月25日 21時) (レス) id: 664ca7d814 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - Kさん» まさにそういったものが描けたらと思って作った作品なので、そう言って頂けて本当に本当に嬉しいです…!ドキドキさせられて良かったです!こちらこそこの作品に出逢って頂いてありがとうございました…! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向 | 作成日時:2020年11月1日 19時