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「……おはよう、A。朝ご飯食べようか」

「おはようございます、零さん。今日は何作ってくれるんですか?」


お互い着替えながらそんな話をする。
毎朝の朝ご飯は寝起きが良く早起きな零が担当。その代わり夜ご飯はAが担当である。
まあ、実力は勿論零のが高いのだが。


「うーん……サンドイッチでいいかい?」

鏡を見ながら着替え終わった零が問いかける。

「サンドイッチ!大歓迎です!」

「ん、了解。ちょっと待ってて」


私の頭をくしゃっと撫でて微笑んだ後、エプロンを着けて颯爽とキッチンへ向かっていった。


「おいしいいいい…………さっすが零さん!いや、安室さん!!ポアロで働いてるだけあるうう…………」

もぐもぐと美味しそうに食べながら頷く。

「その褒め方は割と嬉しくない」


「いたっ!!」

ムスッとしながら私にデコピンをし、同じ皿に盛り付けられたサンドイッチを食べる零さん。
ふと、先程のことを思い出す。

「そう言えば、零さんいつから起きてたんですか…………」

思い出して恥ずかしくなり、目線を外して問いかける。


「さあ?いつでしょう」

微笑みながらそう答えられた。
これは聞いても答えてくれないやつだな。

「もう…………起きてたなら早く教えて下さいよ!恥ずかしい思いしたじゃないですか!!」


「おや、自分が恥ずかしい事をしたって自覚はあるんですね」

にやにやしながらこちらを見つめ、コーヒーを注ぐ彼。全く本当にこの人は…………

私が次にムスッとすると、彼はまた優しく微笑んだ。


「Aは普段恥ずかしがってそういう事言わないし、何もしてこないから純粋に嬉しかったよ。
積極的なAが見れるなら寝過ごす振りも悪くないな」

コーヒーをズズっと飲みながら真剣な顔で言う零さん。
なぜこの人は真顔でこんな恥ずかしいことを言えるのか。


「…………もうしません」

最後の1口も食べ終え、ティッシュで口を拭きながらそう答える。

「おや、それは残念。
……まあ、その内嫌でも積極的になりたくなりますよ」

そう言って急に頬を撫でられ、ピクッと反応する私。
その反応に気をよくしたのか次は顎に手を添えられる。

「…………A……」



零さんの顔が目を閉じてどんどん近づいてくる。
これは……、と思い反射的にぎゅっと目をつぶり身体を強ばらせる私。

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えり(プロフ) - みーこさん» 幼児化!(笑)職業的には得意分野なので頑張ります!(笑)ちなみに、中身も幼児のがいいですか?中身は降谷さんのままのがいいですか?? (2018年5月10日 13時) (レス) id: cec242f8ad (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 美空さん» ありがとうございます!時間はかかると思いますが書いてみますねー!! (2018年5月10日 13時) (レス) id: cec242f8ad (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - すみません、リクエストしたいのですが…夢主が降谷さんの彼女で、降谷さんが幼児化してしまう話をお願い出来ますか? (2018年2月16日 1時) (レス) id: f323059470 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - リクエストいいですか?降谷さんの警察学校時代で夢主ちゃんが同期をお願いします。分かりにくくてすみませんm(._.)m (2017年8月21日 15時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - cherryさん» こちらも読んで頂きありがとうございます!!リクエスト嬉しいです!時間経ってしまうかと思いますが書かせて頂きます(´ω`*) (2017年8月7日 23時) (レス) id: ab8dd055fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えり | 作成日時:2016年9月8日 22時

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