立花彩、歌い手始めました。【KZ】【utit】

にじゅう ページ20

まふまふside



「あー寝ちゃいましたね」
「まぁ中学生だし、流石に眠いだろ」


彩ちゃんが家にやって来てから一時間程経った。
彩ちゃんは俺らの話を楽しそうに聞いていたが、今睡魔に負けて眠ってしまった。

机に突っ伏して寝ているものだからリビングのソファーに運ぼうという話に。

で、話の流れで僕になってしまった。
彩ちゃんの所に行って、膝裏と背中に手を回して持ち上げる。

見た感じからして軽そうだったから大丈夫だと思っていた。

するとその予想を上回る程、軽々と浮いた。
驚きのあまり、声を出してしまう。

「えぇっ!?」


本当にご飯食べているのかと心配してしまった。
取りあえずソファーに寝かせて布団を掛ける。

すると彩ちゃんは寝言だと思われる事を言った。

「………助けられた、」


言葉には驚いたものの、顔を見ると口角が上がっていたので安心する。
そのまま寝顔を見ていた。何処か大人びた彼女がやはり中学生だと実感される少し幼い寝顔。


数分してから、そろそろ皆の居る方へ戻ろうと腰を上げた。

最後にもう一度彩ちゃんの顔を見てみれば強ばっていた。
無意識に彩ちゃんの手を握る。


そして願う、居るか不確かな神様という名の人間に。



彩ちゃんを楽にしてあげてください。





.
_____僕みたいにならないでね、と。

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