急に推しが私のお兄ちゃんになった話。︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ -tonarinosakata- (ページ6)

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そもそも、もちろん私は坂田さんのことが
一番好きで推しているので、
坂田さん中心の世界にいると言っても
過言ではないような生活を送っていたけど、
坂田さんはそうじゃない。

坂田さんにとって私なんて
何万、何十万といるファンの中の
1人に過ぎない。
正直言えば他人だ。

今日は初対面のようなもの。

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それなのにメンバーに会わせたいなんて
まさか坂田さんが言うとは思わなかった。

危機管理どないなってんの…全く。

それともこの一瞬で
それだけ私に心を許してくれた？

…まさかね、ないない。

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『さすがに会って初めましてで坂田さんの大切な人達に会うなんてとても出来ません。』

もちろんメンバーに会いたい気持ちがないかと
言われればそれは嘘になる。

私もただの1ヲタクなので、
全然浦島坂田船に会えるなら会いたい。

でも私が会う権利を持っているのは
活動者としての浦島坂田船で、
その活動者としての浦島坂田船に会う権利を
持っているのはcrewとしての私なんだって、
ちゃんと理解しているから。

寂しそうにする坂田さんには悪いけど
流石にキッパリと断らせてもらった。

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「俺らのこと、ほんまに大切に思ってくれてるんやね。」

嬉しいような、悲しいような、
そんな気持ちが入り混じった微妙な顔で
こちらを見る坂田さん。

『せっかくのお誘いを断る形になってしまって申し訳ないですが、私は本当に浦島坂田船が好きなので…。』

本人を前に言うのもどうかと思ったが、
嘘をつくのは嫌だった。

『ただのリスナーでしかないのに、私だけ抜け駆けなんて出来ません。たとえ義理の兄妹になろうと、変わりません。』

…まぁ、妹になってしまっている時点で
かなりの抜け駆け感は否めないのだけれど。

それは不可抗力なので許して欲しい。

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