急に推しが私のお兄ちゃんになった話。︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ -tonarinosakata- (ページ27)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:19,499 hit

26 ページ27

.

「A〜、LINE交換しようぜ〜」

『えっ、LINE……ですか？私と？』

他に誰がいるんだよ、と
キヨさんには笑われてしまったが、

推しからLINE交換しよう？と言われて
はい！とすんなり答えられるヲタクなんて
きっとどこにもいないだろう。

.

『私とLINE交換しても多分
つまんないと思うんですけど… 』

「いーよそれでも」

『ていうか本当にキヨさんに
何のメリットないと思うんですけど…』

「連絡先交換にメリットとかあんの？笑」

『だってお友達でも何でもないのに…』

「俺はもうお前のこと
ダチだって思ってたけど？違った？」

.

自分でも言うのもなんだけど、
これといった特技も、長所も何にもない
一般人の中の一般人みたいな人間だ。

そんな人間に対して
友達になってくれる？キヨさんが？

なんで私なの？って全然理解できないけど
もう既に坂田さんがお兄ちゃんの時点で
意味分かんないし有り得ないしな……。

.

「ん、これQRね、読み込んで。」

『あ、はい。』

なんか成り行きでLINE交換とか
しちゃってるけど… 大丈夫か？

坂田さんがお兄ちゃんで
キヨさんが友達ってどういうこと？

どんなバグが生じたら
そんな人生歩めるようになるんだ…。

.

「あ、言っとくけど、コレ
Twitterとかでバラまいちゃダメよ？」

『そんなことしません！』

「ふっ、分かってるって、ごめんごめん」

ちょっとからかったわ〜と
肩を震わせて笑っているキヨさん。

イタズラっ子だなホント。

.

「ま、さかたんに言えねー話とかも、
俺なら相談のってやれるかもだしな？」

そう小声でこちらに耳打ちしてきた。

「全然気軽にLINEしてきていいぜ？
まー、第2の兄貴みたいなね？」

色々なことによく巻き込まれる
キヨさんだからこそ、
私が抱える不安をこの一瞬で
汲み取ってくれたのかもしれないな。

『………ありがとうございます。』

そう素直にお礼の言葉を告げると、
満足そうに笑った彼に
頭をグシャグシャに撫でられる。

『ちょ、力強いんですけど！』

「あ、わりぃわりぃ、
なんか急に妹できた気分になったわ、
まぁ妹いねぇけど！」

.

「ちょっとー！
2人とも俺置いてけぼりで話すんやめて！」

「てかキヨ！！俺の妹やからな！！」

「わーかってるって、そんなプンプンすんな」

.