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「ちょ、ちょっと待ってください!!」
坂田さんに連れられるがまま
キヨさんがいる部屋の前まで
来てしまった。
心の準備出来てないよ…
ちょっと待ってくれ…と思う私のことなど
お構い無しに ほら、行くで〜と
扉をノックしようとする坂田さんを
急いで制止する。
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「どうしたん、大丈夫やって、
ちょこっと挨拶して帰るだけやで?
なんなら俺の後ろに隠れててもええから。」
………なら私来なくて良かったのでは?
なんて思ってしまったのは内緒。
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コンコン、と坂田さんがノックをすると
今から行くとLINEでもしていたのだろう、
すぐにキヨさんが出てきた。
「おー、さかたん!
今日は来てくれてありがとな〜 …って誰?」
坂田さんを見た途端
笑顔になるも、私の存在を認識するや否や
怪訝そうな顔になるキヨさん。
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いや、このリアクションが普通なのよ。
明らかに自分のカラーのお洋服に身を包み、
キヨさんのことを推してます!みたいな
女の子を友達が連れてくるって…
すっごい怖い状況なのでは?
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めちゃくちゃ申し訳ないんだけど…
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「俺の妹〜!かわええやろ?」
そう自慢げにキヨさんに私を紹介する。
話違うじゃん…………
静かに後ろに隠れさせてよ………
なんて思ったがこんな目立つ格好をしていては
そんなことは到底無理だよな、と
今更ながらに思った。
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「は、初めまして…、
坂田さんの妹やらせてもらってます。」
やらせてもらってますって何?!と
ツッこむ坂田さんには目もくれず
キヨさんの鋭い視線は私に突き刺さっていた。
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「名前は?何ちゃんなの?」
唐突なキヨさんの問いに
坂田さんが答えようとすると、
俺はこの子に聞いてんの。なぁ、何ちゃん?
とキヨさんは私に再び問いかけた。
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「さ、坂田Aと申します…。
急にこんなところに部外者が来てしまって
本当にすみません。すぐ帰りますので…」
人を射るような眼差しに耐えられず、
キヨさんと目を合わせられない。
思わず目を伏せてしまう。
でも、挨拶の時に人の目を見ないなんて
あまりにも失礼だよな…なんて思い
少しだけちらり、と目をやると
キヨさんと視線が交わる。
「その服とか髪とかさ、赤色だけど…
赤色…まぁここに一応2人いるわけだし?
どっちの赤色なのかな〜って」
「へ、えっと、それは、」
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純白 - めちゃめちゃに好きです。続き楽しみにしてます。頑張ってください (12月28日 18時) (レス) @page32 id: cf53fa4fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまだ | 作成日時:2023年7月4日 4時