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A said
お母さんが再婚する、
そう告げられたのはかなり最近だった。
お付き合いはもちろんしていたけれど、
ちゃんと再婚するってなってから
正式に伝えたかった、とお母さんは言っていた。
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………でももっと早く知りたかったよ。
なんで?!!!
再婚相手の息子が推しでした〜!なんて
現実世界に存在すんの?
てかしていいの?え?どういうこと?
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私の頭の中はパニックで、
推しバレしたらどうしようとか
坂田さんに引かれたらどうしようとか
…何よりご本人の活動に迷惑をかけないかなって
その心配が大きかった。
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そんな私の心配もつゆ知らず、
お母さんがとんでもない爆弾発言をする。
「ごめんなさいね〜優くん、
この子男の子と話す機会がほぼ無くって緊張してるのよ〜
何でも今は歌い手さん?って言うのかしら、
それに夢中でね〜」
…………は?!!!
『ちょっとお母さん!!!余計なこと言わないで!』
私の人生終わった、終わりましたよ、
もうこんなの私詰んだじゃん…
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坂田さんが何やら考えているような表情をしてから
私に1つ、質問をした。
「Aちゃん、もしかして坂田家?」
...終わった。
何にも知らないお母さんは
ウチは齋藤家だけど…、
確かにこれから坂田家になるわね!なんて
超意味わかんないこと言うし
マジでもう余計なこと言わないでよ〜…
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ここで否定するのも逆に怪しいし、
坂田さんを好きな気持ちを自分で無かったことにするのも嫌だ。
『 …すみません、嫌ですよね。
リスナーが急に妹とか…、本当にすみません!』
とりあえず謝るしか出来なかった。
はぁ、どうしよう。
私もうこれからライブ行けないよ〜………
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私がリスナーだって分かってから、
挨拶をした時の気まずそうな嫌な感じの返答の
意味を理解したのだろう。
坂田さんはスッキリした顔をしていた。
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「そっかそっか、俺のこと推してくれてるんやね。
ありがとう Aちゃん。」
リスナーの私に嫌な顔をするでもなく、
ありがとうと大好きな笑顔で告げてくれた坂田さん。
辛い。
めちゃくちゃ好き。
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純白 - めちゃめちゃに好きです。続き楽しみにしてます。頑張ってください (12月28日 18時) (レス) @page32 id: cf53fa4fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまだ | 作成日時:2023年7月4日 4時