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それからというもの、
とっても幸せで夢のような同居生活を
送っていたけれど、
それも長くは続いていかなかった。
お互い学校やら仕事やらでバタバタ
目まぐるしい日々を送っていて、
顔を合わせる機会が減ってきて。
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アルバムやシングルの楽曲録音に
ライブのリハーサル、ライブ期間中は
国内あちこち飛び回っていて、
坂田さんは長期的にお家にいない。
流石、歌い手の大手グループと
言われるだけあってとても忙しそうだ。
同じ空気を吸うために、なんて言って
上京したのが仇となり
金銭面的に頻繁にライブに行くことは厳しい。
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ライブの発表が出る度に
前はあんなに嬉しかったのに、
今はお家での坂田さんに会えないことが
寂しいなんて贅沢なワガママを抱える私がいた。
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「私も………坂田さんに会いたいよ。」
そう呟いた私の声が
静かな家の中に響いて虚しくなった。
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私が上京なんてしなければ、
私が坂田さんと出会わなければ、
……お母さんが再婚なんてしなければ。
そんな最低な考えばかり頭に浮かぶ。
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何か趣味を見つけようかな…とか
誰か他に推しを見つけようかな…とか
と考えてみるも、
今をときめく人気俳優も、声優も、男性アイドルも、
誰一人として坂田さんよりも好きだ!と
感じる人に巡り会うことは無かったのだった。
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気がつけば、
私の中で坂田さんという存在は
かなりの割合を占めていた。
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純白 - めちゃめちゃに好きです。続き楽しみにしてます。頑張ってください (12月28日 18時) (レス) @page32 id: cf53fa4fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまだ | 作成日時:2023年7月4日 4時