急に推しが私のお兄ちゃんになった話。︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ -tonarinosakata-

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ふんふふーん、とご機嫌に鼻歌まじりに
ニコニコの坂田さん。





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どうやら私の口から
坂田さんの妹だ、という言葉を聞けたのが
余程嬉しかった様子だ。





推しがさ…？

私なんかが妹になったくらいで
こんなに喜んでくれるとは思わないじゃん…。






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そんなことを考えていると
何だか嬉しいような恥ずかしいような気持ちに
なって、口元が緩んだ。








「えーーーーーー！！！！？？！！！」


「？！なんですか急にデカい声出して… 」







「なぁに今の顔ぉ……、やっぱ可愛いなぁAちゃん」









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「 ……………はぁ？」





唐突な可愛い発言に思わず困惑の声が漏れてしまう。

決して推しに対して
は？と悪態ついたわけではないので悪しからず。







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「…坂田さんのが可愛いですよ？」

「いーや、Aちゃんには負けるわ」






決して自分が可愛いということを
否定するつもりは毛頭なさそうな坂田さんが
あまりにも、本当に可愛かった。


なんだこの可愛い生き物は…。
本当にこの世に存在するんだな…。







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それから約1ヶ月が経ち、
坂田さんとの生活に慣れるかな？なんて
思っていたけれど、
笑ったり拗ねたりムッとしたりする
自由奔放で可愛い坂田さんに慣れる日はこなかった。







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坂田さんは、
プライベートでも坂田さんだった。






あと1口じゃん！というペットボトルは
いくら片付けても気づけば溜まっているし、

ソファに腰かけたままウトウト寝ちゃうし、

何かあったら なーなー聞いて！って飛んでくる。






感情豊かで、笑顔が絶えなくて、
本当に、本当に、画面で見るままの素敵な人だった。






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今日学校でこんなことがあってね、
と私が話すと
うんうんと相槌を必ずくれる。



少しでも悩んでいると
どしたん？何かあったん？って
すぐに気がついてくれる。



それでも私がまだ話したそうじゃなかったら
いつでも話したくなったら言うてよ、
いつでも聞くからさ、って
優しく微笑んでくれる。





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歌い手として、浦島坂田船として、の
坂田さんではなく
普通の男の人として接する坂田さんは苦手だ。




こんなの、すぐ好きになっちゃうよ。





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