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何も食べへんのはさすがになぁ…と
唸る坂田さんが あっ!と
提案してくれたフルーツヨーグルトが
今日の朝食に決定した。
「ヨーグルトなら割と軽めやし、
フルーツ入ってたら栄養も取れるし?
WIN-WINちゃう?!おれ天才かもー!!」
嬉しそうに笑顔で話す坂田さんはまるで
5歳児のようだった。
ただ、WIN-WINではなく
きっと一石二鳥とかいう類の言葉の方が
当てはまるのではないだろうか?
と思ったことは伏せておこう。
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朝食を済ませた彼が私に尋ねる。
「今日って空いてる?ちょっとショッピングでもしにいかへん?」
楽しそうに笑っている彼を見ていると
ホントに飽きないな、と思った。
──────素敵な人だなぁ。
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「全然私は構わないんですけど、
坂田さんバレちゃうんじゃないですか?」
「そんなんお得意の変装でちょちょいのちょいよ!」
自慢げにフフンと笑った坂田さんが
あまりにも可愛かった。
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「いや、バレますって。」
明らかに坂田です。みたいな服装で
登場した坂田さんに私は呆れた顔をした。
「えーーーーー?!これでバレたことないねんで?!!!嘘やん……………そんな分かりやすいかな………。」
あなた、バレてないと思ってたの?
バレてるけれどもプライベートの坂田さんを
邪魔するまいと、みんな気付かぬフリしてるんだよ…。
有名税なんてよく言ったものだが、
実際そんなものがあってたまるかと言いたい。
有名だから何だ、
顔が知れ渡っている人間だから何だ、
休みの日くらい羽を伸ばしたっていいだろう。
特に推しには休みの日くらい気兼ねなく
過ごしてもらいたいもの。
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ただ、その横に女がいるとなれば別。
もちろんその時は大炎上待ったナシだろう。
「やっぱりやめときましょう?
ショッピングは1人で行ってきますって。」
「いやや!そんなん寂しいやん!」
「寂しくないですって、私もう大人ですし…」
「俺だって大人や!……でも一緒に行った方が楽しいやんか……。」
むぅ、と口をとがらせる坂田さん。
どこまで私を困らせれば気が済むんですか…。
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「とりあえず可愛いのでその顔やめてください。」
私がそう言うと恥ずかしくなったのか
すぐにやめてくれた。
…………そんなとこも可愛い。
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純白 - めちゃめちゃに好きです。続き楽しみにしてます。頑張ってください (12月28日 18時) (レス) @page32 id: cf53fa4fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまだ | 作成日時:2023年7月4日 4時