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Sakata said
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「実は再婚することになったんや」
オトンからそう聞かされたのは
かなり急で、ほんまつい最近のことやった。
あまりにも急やったし
そんな感じの相手がいることも俺は
まーったく知らされてへんかったから
そら最初はめちゃくちゃ驚いた。
けどまあ、オトンが幸せならそれでええかな。
そんなこんなで迎えたお互いの家族での
顔合わせの日。
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俺は東京から地元に帰ってきて、
再婚するお相手さんのお家にお邪魔した。
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何やら再婚相手さんと思わしき女性の後ろに
隠れるようにこちらを伺う女の子。
……怯えられてる、ってわけでも無さそうやけど。
あ、挨拶しやなな!
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「 初めまして、Aちゃん!
息子の坂田優です。
結構歳離れてるみたいやねんけど、
気にせず仲良くしてな!」
けっっっこうフランクにいけたし
好感触かな〜とか思ってんけど、
なんか予想とはちゃう反応で。
『 ……えーーーーーっと、はい。宜しくお願いします。』
…なんやえらい気まずそうやん?
俺なんかとっつきにくい感じの雰囲気
醸し出してもうてる?
そんな不安な思いを抱いていると
お母さんが声をかけてくれた。
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「ごめんなさいね〜優くん、
この子男の子と話す機会がほぼ無くって緊張してるのよ〜
何でも今は歌い手さん?って言うのかしら、
それに夢中でね〜」
聞き馴染みのある歌い手というフレーズに
驚いてると
『ちょっとお母さん!!!余計なこと言わないで!』
と慌てだす娘さん。
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ほぉーん、そういうことね。
もしかして俺のリスナーやったりすんのかな。
それとも名前を知ってるだけ?
でも顔見た瞬間のあの反応見ると、
多分ライブ来てくれてんのか
YouTubeとか見てくれてんのかな…
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「Aちゃん、もしかして坂田家?」
きっとcrewで無ければハテナを浮かべるであろう
俺の急な問いかけに
驚いたような表情を見せた彼女。
あ〜、これはビンゴかな?
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『 …すみません、嫌ですよね。
リスナーが急に妹とか…、本当にすみません!』
彼女も急なことに驚きを隠せないはずなのに、
俺に配慮をして謝ってくれた。
…まだこの子のこと全然知らんけど、
ええ子なんやろなぁって
俺はそう思った。
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純白 - めちゃめちゃに好きです。続き楽しみにしてます。頑張ってください (12月28日 18時) (レス) @page32 id: cf53fa4fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまだ | 作成日時:2023年7月4日 4時