【銀魂】幸せに【坂田銀時】 (ページ6)

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5:特別になんてなりたくないページ6

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俺が素っ気ない態度をとったせいか、少し切なげな表情を浮かべたA。

そういう顔をさせたくて言ったわけじゃない。

素直じゃない俺は惚れた女さえも笑顔にすることが出来ないなんてつくづくクソ野郎だと痛感した。

「この部屋、銀時が使ってもいいよ」

今の部屋、神楽ちゃんにあげてさ。

と、笑いながらいうA。

そんなAに苛立った。

Aの残り香が漂う部屋になんて使いたくない。

Aのこと、嫌でも思い出してしまうから。

Aのことを思い出して、泣いてしまうだろうから。

そんな部屋を使ってたら俺は俺でいれなくなって、正気じゃなくなるだろう。

きっと後悔ばかりがつのるんだ、きっと。

「部屋も何も、この部屋はお前の部屋だ」

これからも、ずっとあの部屋はAだけの部屋。

これはもう変わらない。

まずそこを誰かの部屋にするつもりなんてないし、俺の部屋にするなんて有り得ない。

「そっか、ならもしも万事屋に帰ってきた時も安心だね」

えへへ、と子供のような笑みを浮かべたAに、
またも胸がドキりと高鳴る。

その笑顔に俺は何度惑わされ、揺さぶられ、好きだと自覚させただろうか。

その笑顔を見るたびに、改めて好きだという感じさせられるのだ。

俺はもうそんな笑顔の虜になりつつあるのだ。

何でもないやつがAのような表情を浮かべてもなんとも思わないのに、Aの場合は特別だ。

あー、あれ。

俗にいう、好きな人がすると特別に感じるってやつ。

こんな特別、持ってたって後悔して辛いだけなのに。

捨てきれなくて、まだ持ち続けてるのは俺がAが好きすぎるからなんだよな、きっと。

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