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「最高指導者のお望みとあらばなんでもご用意いたします！！」
手のひらを返したように、というより手のひらを擦り合わせて弔さんに笑顔で接するリデストロ。
何やら奴は戦いの中で弔さんにすっかり絆され傾倒したらしく気持ち悪いぐらいに腰が低くなった。
その態度の豹変っぷりに何か企んでいるのではと勘ぐったが、今の彼からは全く微塵も敵意を感じないのだからきっと本心から敬っているのだろう。
「失せろ」
「喜んで！！」
弔さんの冷たく突き放すような物言いにも笑顔で返事をしそそくさと車椅子で下がっていく姿に、どっちが忠犬かわからないなと呆れた。
両脚を失った彼もまた当然入院中で弔さんが目覚めたと聞いてすっ飛んできたのだとか。
「いやぁありがたいねぇ」
「でも弔さんの指を奪った罪は大きいです」
ミスターの言う通りその財力には助けられているし今現在の尽くしっぷりはいいことだが、それはそれ。
奴に潰された弔さんの指はもう二度と元に戻ることはない。
「今更態度変えたって絶対に許しませんあの男…」
本心を隠すこともなくそう呟くとミスターには本気で怖がられてしまった。
因みにリデストロの正体は大手サポート企業デトネラットの社長、四ツ橋力也だった。
トガちゃんのボロボロになったコートと装備一式、ミスターの義手、私の武器、弔さんの義指、全員分の治療費や衣類等全て負担してもらったがこれでも彼にとっては痛くも痒くもない出費なのだろう。
さらに退院後は解放軍アジトにそれぞれ個室が与えられるというサービスっぷり。
ギガントマキア、ドクターの全面支援、異能解放軍の全権、住処、財源等これだけでも勝ち取ったものは大きいが、それに加えてトガちゃんとトゥワイスさんの個性が覚醒したことで本格的に弔さんの望みを叶える準備ができてきた。
5日後には全員退院し決起集会の予定もある。
色々ありすぎた一年も気づけば終わりに近づいていた。
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作者名：さかさま | 作成日時：2022年4月20日 22時
