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「弔くんミイラみたいです！」
弔さんの病室に集まった連合一同。
そう言うトガちゃんも右目には眼帯を付けていて驚いたけど、失明したわけではなくじきに治るとのことで安心した。
またこうして全員無事に顔を合わせられて本当によかった。
「みんな生きててよかった…」
心の底から溢れた本音だ。
戦いが終わってからも弔さんが目覚めるまでどこかずっと肩に力が入ったままだったけど、今になってようやく肩の荷が降りた。
「大袈裟だろ」
涙目になってしまった私を見て呆れつつも宥めるように頭をわしゃわしゃと撫で回す荼毘さん。
でも私は知ってる。
「荼毘さんだって心配してたじゃないですか」
大怪我をして運ばれていく弔さんとトガちゃんを見て、荼毘さんが神妙な顔してたのを。
「こんなところで死なれちゃこっちも都合が悪いからな」
と、いつものように自分のためとは言うけど心配してたことに変わりはないじゃないか。
そもそもあの戦いにだって面倒だと言いながらもなんだかんだついて来てくれたのだし。
荼毘さんってもしかしてツンデレ？
「なんでもいいよ。来てくれて感謝してる」
弔さんが素直にそう礼を言うと、荼毘さんは面食らったのかバツが悪そうに顔を背けてしまった。
けれど構わず弔さんは続ける。
「よくやってくれた、お前ら」
「…っ」
穏やかな笑みを浮かべながら言う彼の姿に胸がぎゅっと締め付けられる。
みんなも少し照れ臭そうに、けどお互いに顔を合わせながら笑っていた。
「そんな…お礼を言うのは私の方で…！」
「っおい、泣くな」
「だって…弔さんの指があぁ〜！」
わあっと声を上げて泣くと慌てながらも慰めてくれる優しい彼。
あの時私がどんな気持ちで弔さんを見送ったか。
全身傷だらけで運ばれていく弔さんを見てどれだけ肝が冷えたか。
指を失ったことを知ってどんなに自分を責めたか。
私が勝手に飛び出して1-Aと戦ったあの時、弔さんがどんな思いだったかを身をもって理解した。
今はただ、生きていてくれてありがとうと伝えたい。
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作者名：さかさま | 作成日時：2022年4月20日 22時
