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私には昔から父に言われてきた言葉がある。
たしか一番初めに言われたのは私がまだ6才のとき、稽古中のことだったっけ。
『おとうさん、わたしはこの力でだれをまもればいいの？』
『…！』
『おとうさんはどうしてあのひとをまもってるの？』
『お父さんがあの人に忠義を誓ったのは…』
『ちかったのは…？』
『誓ったのは…！』
『ちかったのは…！？』
『…野生の勘、だな！』
『…なにそれー！』
『ははは！Aにはまだ難しいかもな、でもお父さんも伯父さんもおじいちゃんもみんなそうだったんだ』
『そうなの？』
『ああ、爪を研いで己を鍛えた野生の犬が、仕えるべき主を見つけた時、その時ようやく私たちは立派な忠犬になれるんだ』
『…むずかしい』
『急がなくても大丈夫、いつかAにも忠誠を誓うべき主君が現れる』
「その時になれば、言っていた意味がわかるはずだ…」
以来、この父の言葉は私の頭の中に深くこびりついている。
私は自身の先祖を、代々伝わる教えを、受け継いできた個性を、心から誇りに思っている。
しかしいまだ私にはこの意味がわからない。
悲観しているのではない、むしろこの事を考えるたびに期待で胸が熱くなるんだ。まだ見ぬ私が忠誠を誓う主君とはいったいどんな人なのだろうかと。
犬塚家に代々伝わる教え
−己が主君に忠義を尽くせ−
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さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
