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「恋ではないんだけど…とある人のことが頭から離れなくって」
「ほうほう、というと？」
「どんな人なの？」
「まだ1度しか会ったことなくてほとんど話してもいないし、名前しか知らないの。また会いたいと思ってるんだけど連絡先とかも知らなくてどうしたもんかなーって」
言葉を選びながら、でも嘘にはならないように慎重に話していると、三奈ちゃんと葉隠ちゃんは顔を見合わせてまたイキイキしはじめる。
「へぇ〜！ちなみに男の人？」
「うん、たぶん年上」
答えた途端2人はキャー！と大盛り上がり。一体なんなのか。
「Aは年上派かぁ…」
「ねえねえ、どうして気になるの？」
「えっと、自分でもその人のことどう思ってるのかよくわからなくて…とりあえず、もっと知りたいから？」
すると再び2人の甲高い声。クラスメイトたちの視線が痛い。ひとしきり騒いだ2人は困惑する私の顔を見て呆れたように笑いながら言う。
「も〜Aって男の子好きになったことないの？」
「そういうのを恋っていうんだよ！」
「こい？」
こい。コイ。鯉。濃い。恋。
しばしの沈黙を経て導き出した結論は
「嘘だ！私、恋なんてしたことないもん！」
「えー！じゃあ初恋じゃん！」
「頭から離れないんでしょ？その人のこと！」
「う、うん」
「もっと知りたいんでしょ？」
「し、知りたい」
「ほらもう確定だよー！好きなんだよー！」
2人に捲し立てられて勢いに飲まれる。
たしかに私が夜な夜な隠れて愛読している少女漫画の主人公も似たようなことを言ってたような…。
いやでも2人には言えないけど相手は敵だし！私はただ主君だから知りたいだけで！やっぱりありえないよ、うん！
そう心の中で必死に言い聞かせて恥ずかしさを誤魔化している間にも、2人は私の気も知らずに「でも1度しか会ってないってことは一目惚れ？」「さてはイケメン！？Aは面食いかー」などと言われてしまうのであった。
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さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
