Case17 ページ18
震える体をいなすように自分を抱き締めていれば、
その手に触れたのは、
『あむろ、さん…』
「本当に足早いですね……追い付くのに苦労しました」
困ったように笑う安室さんは、
私の頭を撫で、遊具からその姿を犯人にさらした。
「お、まえ…!」
「おや?やはり貴方でしたか」
そういう安室さんに、私は疑問符を浮かべた。
(犯人に、心当たりがあった…?)
どうにも気になってしまい、
そっと遊具から顔をのぞかせてみると、
公園の街灯に照らされるそこには、
"精が出るね、Aちゃん"
あの、常連さんだった。
『なん、で』
私の言葉に、その常連さんは苦虫をかじったような表情を浮かべ、
踵を返した。
けど、
「暗い夜道は危ないよ、おじさん」
スパァン
どこからか飛んできたサッカーボールが常連さんの頭に当たり、
男はバランスを崩してたおれこんだ。
その隙に、安室さんは常連さんをつかみあげ、
身動きが取れないよう、固定した。
「詳しいお話はおまわりさんのところで」
「くっ……そ……」
警察が到着し、
聞けばこの男、今回が初犯ではないらしい。
過去にも他の女子高生をストーカーし、
自 殺に追い込んだこともあるという。
「君は本当に…災難だな…」
『ハハハハ…』
お馴染み目暮警部に同情されながらも、
どこか、複雑な気分だった。
「良かったね!Aお姉さん。
悪い人がつかまって!」
『うん…。コナンくんも、安室さんも、ありがとうございました。
これで安心して帰れます』
そう言えば、コナンくんはジトリとこちらを見つめて、
「Aお姉さん、また一人で帰るつもり?」
『え、うん』
「それはいただけませんね」
『え』
安室さんは少し、「うーん…」と考え込み、
ハッと顔を挙げると、ニッコリと笑った。
「帰りは僕が毎回送りますよ」
『え、いいです』
「即決かよ」
私の返答が早すぎたのか、
コナンくんが哀ちゃんと話すときとおんなじ感じになってしまっている。
もしかして、これが素か?
『し、シフトかぶらないときとかありますし…』
「僕は構いませんよ。あ、でも探偵の依頼が入れば前後するとは思いますが」
『いや、いやいやいやいや』
首をブンブンふって大丈夫ですと伝えるが、
どうやら折れる気はなさそうだ。
「Aさんと、もっと仲良くなりたいんですよ」
4473人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソーダ愛す - ヤバい、面白すぎる...!個人的におジャ魔女とひょっこりはんがツボでしたww (12月13日 21時) (レス) @page49 id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
テトノ - 初めまして、とてもおもしろいです!!!はい、ひょっこりはんの所がとくにおもしろかったです (2022年4月10日 12時) (レス) @page44 id: 766cae026c (このIDを非表示/違反報告)
いつも楽しみに読んでます!更新頑張ってください! - ライ (2018年10月14日 9時) (レス) id: a0ae5a4b08 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、面白いですヽ(*≧ω≦)ノパルクール出来る女子高生とかカッコいい!安室さん推しな感じも最高です♪ 正にドキドキハラハラな展開も良いです(*´艸`*)ひょっこりはんも笑いました(笑) (2018年6月13日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あおいさん» ありがとうございます!続編の方、読みました。教えていただき、本当にありがとうございました。 (2018年5月13日 8時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2018年4月7日 22時