【名探偵コナン】それ、疲れません？【降谷零】

Case16 ページ17

”まずは、ストーカーのお手並み拝見といきましょうか”


(ストーカーのお手並みとは)


歩き慣れたポアロからの帰り道。

ただ何かが違うと言えば、


ストーカーと、

それを追う二人の探偵。


(カオス)


そうそう無い体験だ、これは。

いや、あっても困る。


にしても、




(ストーカーも、毎回毎回飽きないこと･･･)



背後に突き刺さる嫌な視線。

あぁ、



(気持ち悪い)



『コナン君、安室さん』



ストーカーに聞こえないよう、

コナン君に付けられた盗聴器に話しかけた。



『走ります』



もちろん、盗聴器だから返事なんか帰ってこない。

でもまぁ、嫌になったらいつものように走って帰るとは伝えてるし、大丈夫だろう。



リュックを背負い直し、

徐々に歩みを早め、走り出した。



家へ向かうはずの角を曲がらず、まっすぐ駆け抜ける。

案の定、ストーカーも付いてくる。



『とりあえず、この先の公園まで行きます』



いつも逃げるときに通る公園。

そこまで逃げよう。



住宅街を走り抜け、フェンスなどを跳び越えていく。

階段を飛び降りて、

たまたま青だった横断歩道を駆け抜けて、

石垣を軽く乗り越え、

たどり着いた公園の遊具の裏に身を隠した。




(ストーカーは･･･)




そっと辺りを見回すが、誰もいない。

撒いた･･･？




いや、








ザッ








まだだ。



公園を歩き回る1つの影。

それはどこか、目的を持った歩みに見える。

明確に、

私が隠れる、

ここを目指して、

一直線に･･･。








「ねぇ、そこにいるんでしょ？」




ねっとりとしたその声に、

私の体は震えた。


寒気がする。

気持ち悪い。



「今日はおうちまでいかないの？
せっかくお邪魔しようかなって思ってたのに･･･」




(家が、特定されてた･･･)



一気に恐怖心が募り、

冷や汗が止まらない。



『あ、あ、むろ、さ･･･』



怖い。

こっちに近づいてくる。




「ずーっとみてたんだ･･･。
高校の登下校も、バイトの時も、帰る時も･･･。

この前、新しく下着を買ってたね。
少し地味じゃないか？
まぁ君はかわいいからなんでも似合うだろうけど」




なんで、そんなことまで。




『あ、あむ、ろさん･･････コナン、くん･･･！』




「ねぇ、今日はどんな下着？教えてよ」





気持ち悪い

気持ち悪い。




もう、すぐそこに･･････









「大丈夫。



僕がいますから」

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