Case9 ページ10
無事に事件は解決。
コナンくんも怪我はないようだ。
(やーっと帰れる…)
生きた心地のしなかったカーチェイスを思い出しては、口から漏れ出すのは渇いた笑いだけだった。
(てか、)
安室さん、車、壊したけど……
これめっちゃ高い車だよね?
RX-7とかなんとか…
群馬の峠じゃモテモテの車なのにこれ。
躊躇なくて当てていく感じ、安室さんはやはりただ者ではない。
(変 態なのかな)
チラリと視線を安室さんに向ければ、
誰かと電話しているようだった。
「Aさん」
『ん?あー、哀ちゃん』
オズオズと私に話しかけてきた哀ちゃんは、どこか挙動不審だ。
まるで、何かを怖がるような。
『博士とコナンくんは?』
「……沖矢って人と話してる」
『あー』
沖矢昂。
工藤家に居候している大学院生。
面識はまだ一度しかない。
『…沖矢さん、苦手なの?』
そう尋ねれば、哀ちゃんは首を縦にふった。
(…こうもコナンくんの回りには怪しいというかなんとかいうか……奇妙な人たちが集まるかなぁ……)
まぁ、私も例外ではないのだろうが。
「おーい、哀くーん!帰るぞーい!」
『…大丈夫?』
「えぇ……ありがとう」
『どういたしまして』
哀ちゃんはクールそうに見えてなかなかかわいいところがある。
大きくなったら絶対美人だ。
「Aさん、送りますよ」
『え、でも、車……』
「あぁ。もう業者は呼んであります。
タクシー、乗り合わせて帰りましょう?」
『まぁ、それなら…』
あれ、夜なのに眩しいぞ。
安室さんの笑顔が眩しいぞ。
ブォンブォン
どこかで、バイクの音が聞こえ、
自然とそちらに目を向けた。
この道路にかかる歩道橋。
暗くてよく見えないが、
長い金髪の髪をなびかせ、走り去っていく姿が見えた。
『バイクか……かっこいい……』
ポツリと呟く私の横で、
安室さんはじっとそのバイクを鋭い瞳で見つめていた。
『…安室さん?』
「バイク、いいですよね」
にこり、と笑う安室さんは、
何も聞くな、と言っているようで、
私は
『…いつか、乗ってみたいです』
と、
曖昧な笑顔で返事をすることしかできなかった。
『あの車、一体いくらしたんですか』
「ざっと300万ぐらいですかね」
『わー、高校生には縁のない金額だー』
そんな車を自ら壊しにいく貴方はきっと変 態だ
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ソーダ愛す - ヤバい、面白すぎる...!個人的におジャ魔女とひょっこりはんがツボでしたww (12月13日 21時) (レス) @page49 id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
テトノ - 初めまして、とてもおもしろいです!!!はい、ひょっこりはんの所がとくにおもしろかったです (2022年4月10日 12時) (レス) @page44 id: 766cae026c (このIDを非表示/違反報告)
いつも楽しみに読んでます!更新頑張ってください! - ライ (2018年10月14日 9時) (レス) id: a0ae5a4b08 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、面白いですヽ(*≧ω≦)ノパルクール出来る女子高生とかカッコいい!安室さん推しな感じも最高です♪ 正にドキドキハラハラな展開も良いです(*´艸`*)ひょっこりはんも笑いました(笑) (2018年6月13日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あおいさん» ありがとうございます!続編の方、読みました。教えていただき、本当にありがとうございました。 (2018年5月13日 8時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2018年4月7日 22時