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Case42 ページ44

「Aさんが言ったような2つのことがなければ、
なかなか部屋から出てこない石栗さんを、隣の部屋のベランダをつたって窓越しに発見し、

呼んだ警察にが窓を破り、部屋のなかに入る頃には、
この暑さですから、血が乾いていたとしても不思議じゃありません」


たとえ発見した直後に誰かが窓を破って入ったとしても、

注目されるのは血の乾き具合よりも石栗さんの生死のみ。

あとで来る警察には、頭から血を流して倒れていたと伝えるだけ。



「お手柄だね、コナンくん!」

「う、うん…」



あー、ダメだ。


(安室さんの胡散臭さがこびりついてとれない)


思わず天を仰いで、目に手を当ててしまいたくなったが、

色々油断できないので、意味深な行動は避けよう。



(…それにしても、)



やはり相当頭のきれる人らしい。

洞察力も申し分ないし、

部屋の状況を見ただけで、ここまで推理できるなんて、



(組織では、情報収集の役割を担っていたりして……)



それならなおさら言動に注意しなければならない。



(…なんでこう、神経張って過ごさなきゃならないのか)



平凡な毎日よ、何処へ。

いや平凡な毎日じゃなかったけどさ。

主に死神のせいで。



「…Aちゃん、疲れてる?」

『…へ?あ、いや』



深くため息をついてしまったところを、蘭ちゃんに見られてしまった。

心配そうにこちらを見ている。



「まさか、死体見て、気分悪くなったんじゃ…」

『いやいやいやいや、慣れたよ、それは。
主に君のボーイフレンドのせいで』

「ぼ、ボーイフレンドって…、新一のこと!?」

『あれ?それ以外に誰かいる?』


からかうように笑うと、

蘭ちゃんは「もうっ!」とそっぽ向いて怒ってしまった。


かわいいなぁ。


蘭ちゃんは顔を赤くするし、

コナンくんはこちらをジト目で見てくるし、



(なにこれ楽しい)



「そ、そういうAちゃんだって!
安室さんがいるじゃない!」

『……まって、なんでそうなるの』

「だって送り迎えしてくれてるし、
さっき二人で楽しそうに話してたし…」


あれのどこが楽しそうだと……!?

こちとら神経すり減らしながら命のやりとりしてたんだぞ。



『ないない』

「何がないんですか?」

『ひぇぇぇぇ…』


私の横からひょっこり顔を出すのは、

皆さんお馴染み安室さん。


なんだ、

ひょっこりはんか。


はい、ひょっこりはん。

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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2018年4月7日 22時

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