Case40 ページ42
バーボンside
『………引きました?』
「い、いえ…」
顔を覆う指の隙間から、
こちらをチラリと見る瞳は、
恥ずかしさからなのか、やや涙目だ。
(………嘘、いや)
どっちだ。
今まで、
多くの虚実を見抜いてきた。
あの女優業をしていたベルモットの弱みでさえ、握ることができた。
『イケメンにトイレの話するとか…恥ずかしすぎる』
「そんなにですか、それ…」
(……しかし、)
涙目は装えても、
(耳…)
彼女は自分では気づいていなかった。
恥ずかしくなると、自分の耳が赤くなることを。
例え知っていても、それを意識的に行うことは女優であっても難しいだろう。
(……真実、ということか)
『……安室さん?』
「………お腹でも、下したんですか?」
『聞かないで……』
そしてまた、恥ずかしそうに顔を隠す彼女は、
いつもと違ってどこか幼く、愛らしい。
(……高校生相手に、何を思っているんだ)
確かに彼女は、
容姿は申し分なく、
どこか顔立ちは日系からやや離れているようにも見える。
大体はその瞳の色からだろう。
(……思い過ごし、か)
「変なことを聞いて、すみませんでした」
『いえ……あの、引いてません、よね?』
「もちろん。
むしろ、愛らしいなと」
『まって、どこが』
ドンッ
二階から大きな物音がし、
そちらを振り返れば、
リビングにいた他の人間も驚いたように二階を見つめていた。
『え、なにごと』
「わかりません。
とりあえず、いってみましょう」
(……六条A)
油断はできない。
もし、
もし彼女が、
僕の正体に気がついたときは、
___
__
_
六条side
(こ、)
怖かったぁぁぁぁぁぁあああ
二階へ向かう安室さんを追いながら、
内心盛大な安堵をもらしていた。
脳内は歓喜のあまりにお邪魔女カーニバルだ。
(バレてない、よね)
あの様子から見ると、
私があの場にいたことを疑ってたけど、
どうやら勘違いだと思ってくれたらしい。
(ビバ有希子さん)
貴方の演技伝授のお陰で一命をとりとめましたよ。
もし、バレていたら、
(考えたくもない)
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ソーダ愛す - ヤバい、面白すぎる...!個人的におジャ魔女とひょっこりはんがツボでしたww (12月13日 21時) (レス) @page49 id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
テトノ - 初めまして、とてもおもしろいです!!!はい、ひょっこりはんの所がとくにおもしろかったです (2022年4月10日 12時) (レス) @page44 id: 766cae026c (このIDを非表示/違反報告)
いつも楽しみに読んでます!更新頑張ってください! - ライ (2018年10月14日 9時) (レス) id: a0ae5a4b08 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、面白いですヽ(*≧ω≦)ノパルクール出来る女子高生とかカッコいい!安室さん推しな感じも最高です♪ 正にドキドキハラハラな展開も良いです(*´艸`*)ひょっこりはんも笑いました(笑) (2018年6月13日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あおいさん» ありがとうございます!続編の方、読みました。教えていただき、本当にありがとうございました。 (2018年5月13日 8時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2018年4月7日 22時