*国際執事協会 ページ8
長野に手紙を渡してからすぐ、部屋に坂本が入ってきた。
坂「A様」
「坂本……どうかした?」
坂「あぁ、長野。……何してたんだ?」
長「お嬢様に頼まれ物。今から行ってくるから……では、お嬢様、失礼致します」
きちんとお辞儀をして、カラになったカップをワゴンに置くと、それを押して部屋を出ていった。
「それで?私に用?」
坂「あ、あぁ、そうだった。
お嬢様宛の手紙が」
「手紙?……誰から……」
坂「宛先不明ですが……」
「……爆弾?」
坂「……ではないでしょうね。それでしたら、とっくにこの屋敷は壊されてるかと。
……心配でしたら、私が開けますが」
「ありがと……」
執事の役目なのか、坂本が手紙を取ると慎重に封を開けた。
「危険なものは……ない、らしいわね」
坂本の手元を見ながら呟くと、封筒から手紙を取り出すと、中身を見ずにそのまま差し出された。
「ありがと」
手紙を受け取ると、坂本は長い鋏を革のケースに収めてから燕尾服の内ポケットに入れ、便箋を机の上に置くと口を開いた。
坂「なんて書いてありました?」
「うん……
……うん」
坂「問題でも?」
「いいえ。明日、本郷様が何時になるか分からないらしいけど、来る事になったわ。」
坂「承知しました。では、お茶とお茶菓子をご用意します」
「よろしくね。
じゃあ、休むから下がって」
坂「わかりました。何かありましたら、お呼びください」
Aが席を立ち、カーディガンを脱ぐと、それを坂本が受け取りハンガーにかけた。
「……坂本」
坂「はい」
「……なんでもないわ。夕食の時間になったら起こしてちょうだい」
坂「かしこまりました…ごゆっくり、おやすみください」
結んでいた髪の毛をほどいてとかしているうちに、部屋から出て行った坂本。
扉が閉まる音を聞くと、ブラシを置いてベットに沈み込むと、ベットの近くに置いてある家族写真を手に取ると、静かに抱きしめた。
一方、部屋を出た坂本は、屋敷の修繕をしているのを見ながら、ぼんやりしていると、そんな彼の横にドカッと座ってきた人物が。
坂「井ノ原……」
井「よっ!坂本くーん」
坂「なんで……長野と買い出し行ったんじゃ……」
井「その予定だったんだけど、剛が行きたいって言ってたから、任せた」
坂「そうか……めずらしいな」
井「ねっ!俺も思った笑」
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作者名:V-GIRL | 作成日時:2018年4月10日 19時