君だったんだな ページ43
テリー「は、はは…参ったな…これは全力でいってもいいってことかい?」
額を抑える片手の隙間から、殺意のこもった目が睨んでくる。これが伝説の狼…下手したら今日が自分の命日かもな。掴まれた服の部分を短剣で切ろうとした時、テリーがこちらに倒れてきた。凭れかかってくる巨体を受け止められずにそこに座り込む。
『おわっ!っと…あ、ローブさん』
ローブが武器で殴ったらしい。テリーのフィギュアがのしかかって立ち上がれないのが分かったのか、ローブがテリーを持ち上げてくれた。
『ありがとうございます…ふっ!』
ローブ「!」
手伝ってくれたところ悪いが、即座に近づいてその深くかぶられたフードを外した。煌めく月の光に照らされたその幼顔は驚いて目を見開いた。
『っ!そ、ソラ…』
ソラ「…」
ローブの人物は、ファイターの一人であるソラだった。思い返せば宙に浮いて戦っていたし、包まれた布の端から少しだけ見えた武器はキーブレードに似ていた。そうか、ソラが…。謎が一つ解けて安心したのか、涙腺が緩んだ。
ソラ「!Aどうしたの!?」
『ごめん!…そっか、ソラか…良かった、知ってる人で良かった…!今まで、ソラが助けてくれてたんだな!ありがとう!』
うううと泣き崩れるAをソラが抱きしめる。ローブ越しのソラはどうやら薄着だったようで、いつものパーカーの感触がない。
『あ、ソラ服』
ソラ「ああ、これは正体がバレにくいように違う服を来てみたんだ。更にローブを着ちゃえばもう誰だか分からないだろ?」
『確かに分からなかったけど…でもどうしてソラはそんな事』
言葉の途中で何かが飛んでくる。咄嗟にソラに抱き寄せられて回避出来たがそれは止まることなく投げ込まれる。
ソラ「っと、今は話している暇は無いみたい…」
『だね…ピーチさんデイジーさん、それにドクマリさん、いい夜ですね』
城の影から現れた3人はそれぞれカブとカプセルを片手にこちらを見据えていた。ピーチが口元に手を運んで微笑む。
ピーチ「ごきげんようA。貴女とこうやって話せるのも今夜が最後になるわね」
デイジー「貴女の力は私たちで山分けよ!」
ドクマリ「主な攻撃は君たちに任せた。僕は援護するよ」
『ソラ…またゆっくり話そう』
ソラ「うん、Aのこと絶対に守るから」
Aとソラは同時に3人へと突進する。打撃音が鳴り響く夜は、まだ続くようだ。
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粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます!こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…!拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!!応援してます! (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2022年6月16日 1時