すまっしゅ

闇の金儲け(むらびと) ページ46

つねきち「本日の目玉商品！ファイターのアイドルAです！さぁいくらからかな！？！？」


ゼルダ「ハイハイ！1000万！1000万出します!!」


マルス「じゃあ僕は5000万かな」


ピーチ「100000万よ！」


ステージの上に現れたAは困惑していた。観客席にいる人達が急に大金を口にするのだ。


『えっ…と、これは？』


つねきち「むらびとくんに頼まれてオークションを開催したのさ！んで、商品は君。いやぁ〜愛されてるねぇ早速大金ガッポリできそうだよ！」


むらびとの知り合いのつねきちにひと笑いされてしまい、更に困惑した。露出度の高いこの衣装は、パルテナに着付けてもらった。


『あの自分、パルテナさんが衣装をお披露目したいと仰っていたので来たんですけど…』


よくよく見ると、後ろの方の子供たちがなけなしのお金や花を抱えてぽかんとしていた。最前列の大人たちに圧倒されたのだろう。ガオガエンは持っていた大きなイノシシを落として泣いていた。


ゼルダ「ここまで来たら、やるしかないでしょう…！5おk」


「10億！」


とんでもない大金に驚き全員が振り返る。後光が指しているその姿は、正しくこのオークションを開催した者そのままであった。


むらびと「聞こえなかった？10億だよ、つねきち」


暫く固まっていたつねきちは、ハッと我に返るとすぐに営業スマイルに変わった。


つねきち「ええ！ええ！ありがとうございます!!今回のご購入金額は10億になります！皆様ありがとうございました！」


ステージに登ったむらびとはAの手を取り、外へ駆け出した。負けた者たちは屍になって倒れていた。


〜〜〜〜〜〜〜

むらびと「よかった。僕よりお金持ちがいなくて」


『はぁ…はぁ…あの、どういうことですか？』


すっかり暗くなった外では、街灯だけが二人を照らしていた。今いる薔薇園なんてのも夜の雰囲気にぴったりだ。むらびとは振り返ってAを見る。タキシードを着た彼は、いつもより大きく見えた。


むらびと「ごめんね。僕は皆より個性がないから、こんなやり方しかできないんだ。僕は君が好きだよ、A」


子供っぽいから相手にできないだろうけど…と俯く彼を、抱きしめていた。案の定驚くむらびとは、それでもおずおずとAの背中に手を回した。


『…自分も好きですよ。でももうちょっと、大きくなってからね』


少しの条件付きで、彼の告白を許した。子供騙しにしか過ぎない言葉を、彼は信じてしまっただろうか。

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