ドクマリの媚薬作成実験 ページ40
ふわ、とワインのような香りを感じた。手書きではなく手入力の作業になってから、Aはマスハンの部屋に通うようになっていた。先程の試合が最後だったので、その記録用紙を持って歩いていたのだ。
『…Dr.マリオさん?』
ドクマリ「んぉお?あ!A!丁度いいところに!」
部屋の前で名前を呼んだだけなのに、ドクマリはなんと耳がいいことか。部屋から顔を出し、手にお菓子を握らせてきた。
ドクマリ「いつもありがとう!これは僕からのお礼さ!あと長いから僕のことはドクマリと呼んでくれて構わないよ」
『あ、ありがとうございます?』
じゃ!とまた部屋に篭ってしまった彼を不思議に思いながらも、もらったお菓子を眺める。見たところ普通のチョコレート菓子だ。ただ先程のワインの香りのことを考えると、お酒入りのチョコレートなのだろう。
『お酒は飲めないけどチョコレートなら…』
それを持ってマスハンの部屋へ足早に向かった。
〜〜〜〜〜〜〜
記録を入力し、情報を更新してパソコンを閉じると既に時計は7時に差し掛かっていた。
『あ〜今の時間に食堂に行っても何もないかぁ…多分カービィが食べちゃってるだろうし』
夕飯を食べ損ねたことを後悔していると、カサと手に何かぶつかった。昼間ドクマリからもらった菓子だ。
『折角だし食べちゃお!…ん、んま…あま』
口の中で転がしながら徐々に溶かしていく。チョコレートの甘さとお酒の刺激が、いい塩梅で喉を通過していった。
『あれ、なんか暑いや…お酒強いのかな?』
しかし体の火照りは収まらず、段々目の前がくらくらしてきた。少しうとうとしてきたところで扉が開く。
マルス「失礼します。マスター、これって…あれ?A?」
資料片手に入ってきたマルスは、机に突っ伏してしまったAを見つけて駆け寄る。体を少し揺すると気づいたAが上体を起こした。
マルス「よかった…ここで寝てたら風邪ひくよ?」
『…誰だ?』
マルス「え」
見た目はいつも通りのAだが、発された声はかなり不機嫌な様子だ。立ち上がったAを少し警戒するマルス。しかしAは辺りを見渡してお腹をさすった。
『…なんか腹減ってるな。食うものあるか?』
マルス「食堂に行けばあるけれど…いや!やっぱり僕と行こう!」
『??』
様子が変わってしまったAを一人に出来ず、マルスは一緒に食堂に行くことにした。なにも起こらなければいいが…。
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粗大ゴミ(プロフ) - まどかさん» コメントありがとうございます!コンテンツに対しての熱と文才が落ちかけている作者ですが、そう言っていただけて嬉しいです! (9月11日 23時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 亜空間の小説から見てこんなに面白く楽しいって思ったのは初めて… (8月30日 4時) (レス) @page50 id: b6ef9522e9 (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - わらび餅さん» ありがとうございます!掛け持ちな上に飽き性ですが、ちまちまやっていこいと思います(*^^) (2021年10月7日 22時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅 - 面白かったです。更新頑張ってください。 (2021年10月7日 17時) (レス) @page2 id: b4ce205d1c (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - りなりんさん» りなりんさん!ありがとうございます!いい機会だったので即興で短編集を作成してしまいましたw楽しんでもらえて良かったです!こちらこそありがとうございました(*´∇`) (2021年10月7日 12時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2021年10月7日 0時