いつも見ていた世界【ブレスオブザワイルド】 (ページ49)

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助けたいページ49

光が私を連れてきたのは大広間。どうやらここが、本丸のようだ。天井には繭の様なものがもごもと蠢いていた。光は姿を消した。

『…あれだ』

ようやく出会えた。厄災。

【…貴女は、リンクと共に英傑の魂を解放してくれていた…】

ふと、女性の綺麗な声が響く。これは勿論彼女、ゼルダ姫だ。どうやら余裕がないらしい。声が切羽詰まっていた。

『…リンクはまだ来てません。私は一人で来ました』

ゼルダ【…何故ですか！？もう私の力は長くは続かないのに…こんなところにいたら危険です！】

『分かっています。私は厄災を…』

ゼルダ【くっ…ごめんなさい…やはり私の力ではもう…ガノンを…】

ビーーッ！

突如放たれた光線に身構える。腕で防御の姿勢をとり、目をつぶった。光線は本丸内で暴れ回り、やがて繭から厄災が落ちてきた。

リンク「A!!!!!」

『リンク！？うわっ！』

なんとリンクが駆けつけてきた。厄災が落ちたと同時に地面が崩れ、呆気なく下へ道連れにされる。リンクがAに手を伸ばすも、届かず一緒に真っ逆さま。慌ててパラセールを開いた二人は無事に着地ができた。

『来るの速いって！』

リンク「なんでだよ！お前こそ俺を置いていっただろ！？」

『それは…』

突然ガノンが四肢を振り回す。突風で二人とも顔を押さえた。

『な、なんでここに来たってわかったの！？』

リンク「あと行くならここしかないだろ！これで終わりなんだから！」

これで終わり。確かにそうだな。私にとっても「これで終わり」だ。

『…私も終わらせる』

リンク「え？」

Aはガノンに向き直る。ガノンもこちらを振り向きお互い初対面となった。

『厄災ガノン!!!私は…』

ガノンは大剣のついた腕を振るってきた。

リンク「危ない!!!!!っなっ！？」

リンクが助けようと走り出したが、それも虚しく何者かに押さえつけられてしまった。ガノンの腕は幸いAには当たらず風だけを起こす。威嚇だけしたようだ。

『リンクっ…？？』

リンク「くっそなんだよこいつ…!!」

リンクを押さえつけている者は、案内をしてくれた光と色が似ていて人の形をしていた。頭に長い帽子のようなものを被っている風に見える。申し訳ないが好都合だった。押さえている光の者は特に攻撃をする動作もないのでありがたい。

だってこれからしようとしていることは、英傑たちを、種族人々全てを、リンクを、敵に回すことになるから。

『私は！貴方を助けたいっっっ！』