彼と出会えて幸せになれました。【ソーン=ユーリエフ】 (ページ2)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:19,234 hit

マピヤページ2

バサッと頭上から音がした。焦げ茶色の羽が目の前をふわりと落ちていく。拾い上げると頭に重みのあるものが乗った。

『うわっ！』

「マピヤ！女性に迷惑をかけてはいけないじゃないか」

ティワロロ族のイスタカが私に駆け寄り、頭上の重みを自身の腕に乗せた。

『イスタカさん…私は大丈夫ですよ！』

「すまないな…どうやら君を気に入ってしまったようで暇があればすぐ様子を見に行くんだ。」

成る程。このところ視線を感じると思ったけれどマピヤだったのか。

『なんだか見守られてるようで安心してたんですよ…暖かい視線だなって』

マピヤを撫でると彼女は気持ちよさそうに目を閉じてAの手にすり寄った。Aもマピヤの毛並みが綺麗なことに気付き、余程大事にされてるんだなと実感した。

「さて、そろそろ行くぞマピヤ」

「ピィ～」

『ん？』

マピヤはAに背を向けた。よく見ると足首の辺りに茎が絡まっていた。

『これ…コスモス？』

「ああそういうことだったのか」

イスタカは一人納得して笑っていた。

「その花は君にあげよう。どうやら恥ずかしがり屋な少年が君にどうしてもプレゼントしたかったようだからな」

よくわからずにコスモスを受け取ると、イスタカはマピヤと共にアリーナに向かっていった。

＿＿＿＿＿

「イスタカさんお願いします！マピヤちゃんをお貸しして貰えないでしょうか！」

頑張りたまえ、少年。