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ほんなら行こか、と重岡さんが1歩足を踏み出した時。
ゴーン、ゴーン、と何処からか時計の音が聞こえた。
時計なんてどこにも見えないのに、まるで館内全体に響いているような音が聞こえる。
時計を探し、キョロキョロと首を動かしていると、見かねた桐山さんが
「12時のベルや。今ちょうど深夜12時やでーって教えてくれてんねん」
と、子どもに教えるような言い方でそう教えてくれた。
12時のベル…。
「何処かに時計があるんですか？」
そう訪ねると、重岡さんも桐山さんもきょとんとしてしばらく間を置いてから
「…うん、あるねん。また教えるわ」
と、重岡さんがそう言った。
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作者名：白樺。 | 作成日時：2019年8月7日 11時
