第４３話【 校内探索 】 ページ43
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『 って事があったんだけど、狡いと思わないか？ 』
「 うん、どこら辺が？ 」
『 どこら辺って…学園長のあの整った顔立ちで捨てられた仔犬みたいに見詰めてくる所以外にどこがあるんだよ。』
イリスのお願いを断り切れなかったAは、時間作りますから！的な事を約束して学園長室から飛び出した。
そして、気が遠くなりそうな程の長さを持つ階段を駆け下りてきたのだ。
今では呼吸もだいぶ落ち着いては居るが、教室に帰った時にはまるで屍の様だったとクラインは語る。
これに関しては完全にAの自業自得としか言い様がない。
「 それ、ちょっと違うんじゃ…。」
学園長の今の心情を思うクラインは、困った様に微笑んだ。
『 …あ、そーいや話変わるけどさ。』
「 どうした？ 」
『 クラインとジェイルどっちか明日空いてね？ 』
フレアと会うにあたり、新しい服でも買おうかとこの土地に詳しい２人に声を掛けたのだが。
「 ごめん…明日はカイルとガラッドに勉強を教える約束してるんだ…。」
「 悪ぃけど、俺もパス。」
『 クラインは仕方ないけど、ジェイルは外に出るの面倒臭いだけだろ。』
だからと言って無理強いする事も出来ない。
他に誰かに頼める人はいないかと思考を巡らせる。
思えば、Aが知っている人と言えばこの空組の中にしか居ない。
教師や学園長、騎士団には顔見知りが居ても、同年代の知り合いが少な過ぎる。
『 よし、俺今から学園内を探索してくるわ。』
「 唐突だな。」
「 一緒に行こうか？ 」
『 へーき。少しぶらついて来るだけだしな。』
クラインに頼り切りになるのも申し訳ないと、彼からの申し出に断りを入れ教室を出る。
学園内をこうして歩くのは初めてで、
この機に誰かと知り合いになれないかと、周囲を見回しながら長い廊下を歩く。
時折、生徒とはすれ違うものの遠巻きに見られるだけで話をするまでには至らない。
『 困ったな…。』
「 何が、困った…なのかな。」
『 ひっ…でた！ 』
後ろから肩を叩かれ、声を掛けられる。
聞き覚えのある声にAはつい、飛び退いてしまう。
「 でた、だなんて…酷いなぁ、A君。」
『 なんで、生徒会長が…。』
「 ふふ、僕が生徒会長だってもうバレちゃったのか。」
残念。と楽しげに笑う彼は、ユーリ。
図書室での一件以来は会う事もなかった為、油断していた。
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花冠(プロフ) - 2017年…四年前の作品で良い物を見つけてしまった…！もっと先に見つけれたら更新されて行く楽しみが味わえたかも…。すごい読みやすいですし、設定が神です！チビちゃんかわいい… (2021年3月18日 13時) (
レス) id: 9f55fa5e42 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 雛菊さん» 有難うございます、とても嬉しいです…！これかも期待に応えられるように精進させて頂きますね！これからもご愛読、よろしくお願い致します！ (2017年12月1日 18時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 通知リストにあるかな〜と探すぐらい好きな小説です！とても読みやすくて大好きです！！ (2017年11月30日 18時) (レス) id: b475004931 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 風音迷夜さん» 沢山のお褒めの言葉…ありがとうございます！好きになって頂けてとても嬉しいです…チビは本当に人気がありますねw (2017年11月25日 16時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
風音迷夜 - ありきたりじゃない世界観に分かりやすい説明、この作品好きになりました！チビちゃんかわいいなもう！僕惚れちゃった←チビドラゴンにww (2017年11月22日 21時) (レス) id: b791237619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にじ
| 作成日時：2017年9月26日 0時
