第42話【 約束を果たして 】 ページ42
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一週間前に見た
残念ながら文字の読み書きが完璧になっても魔法は使えないままだったので、学園長に一緒にテレポしてもらった。
『 俺宛に
「 あはは、A君なら絶対に忘れてると思ってたよ。」
期待を裏切らないね。と続けるイリス。
「 ほら、特別授業の時。副団長のフレアと約束をしていただろう? 」
『 えっ…てっきり社交辞令的なあれかと…。』
「 それが、本気だったみたいでね。私宛に、君へと伝えて欲しいって手紙が届いたんだ。」
見た方が早いね。と、学園長室の扉を開きAを室内へと入るように促す。
入口に一番近いソファへと腰を下ろし、イリスが持って来た手紙を覗き込む。
白い封筒に、赤い蝋の口留め。蝋の中には、リクレイ家の家紋が描かれており、招待状などでよく見掛ける様な形式のモノだった。
手紙にはフレアらしい綺麗な文字で、こうしたためられていた。
【 連絡が遅れちゃって、ごめんなさいね。
明後日、時間が取れそうなんだけれど、Aちゃんの予定は空いてるかしら?
近くに良い喫茶店があるから、ゆっくりとお茶でもどう?
それじゃあ、お返事待ってるわね! 】
『 ── … フレアより。』
一通り手紙の内容に目を通し、要約してみればこういう内容だ。
そして手紙の最後にはキスマーク。
「 彼は、これを私が読むって事も知ってるはずなんだけれどね…全く、大胆だよ。」
『 ですね…。』
「 それで、返事はどうするのかな。」
『 俺もフレアさんに会いたいんで、明後日会います、って伝えて下さい。』
「 うん、それじゃあそう伝えておくよ。」
イリスは一つ頷き、筆と紙を自分の元へと引き寄せた。魔法で、だ。
さらさらと筆を走らせたイリスは、封筒へとそれを仕舞い手紙をテレポートさせる。
そういう仕組みか。郵便屋さんとかいらないな。
『 じゃ、俺は教室に戻りますよ。』
「 おや、もう戻ってしまうのか…。」
『 クライン達を待たせてるんで。』
座り心地の良いソファから腰を上げ、立ち上がったAの腕を、隣に座っていたイリスが掴んだ。
「 君のそういうツレない所は私も好きだけれどね…? 」
『 ? 』
「 今度、私にも君を独り占め出来る時間を作って欲しいんだ…、駄目かな? 」
ああ、狡い人だ。
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花冠(プロフ) - 2017年…四年前の作品で良い物を見つけてしまった…!もっと先に見つけれたら更新されて行く楽しみが味わえたかも…。すごい読みやすいですし、設定が神です!チビちゃんかわいい… (2021年3月18日 13時) (レス) id: 9f55fa5e42 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 雛菊さん» 有難うございます、とても嬉しいです…!これかも期待に応えられるように精進させて頂きますね!これからもご愛読、よろしくお願い致します! (2017年12月1日 18時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 通知リストにあるかな〜と探すぐらい好きな小説です!とても読みやすくて大好きです!! (2017年11月30日 18時) (レス) id: b475004931 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 風音迷夜さん» 沢山のお褒めの言葉…ありがとうございます!好きになって頂けてとても嬉しいです…チビは本当に人気がありますねw (2017年11月25日 16時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
風音迷夜 - ありきたりじゃない世界観に分かりやすい説明、この作品好きになりました!チビちゃんかわいいなもう!僕惚れちゃった←チビドラゴンにww (2017年11月22日 21時) (レス) id: b791237619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2017年9月26日 0時