第１３話【 忘れていた事実 】 ページ13
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編入生手続き
手渡された書類は、履歴書にも似ている気がした。
そして、Aは気が付いてしまった。
『 イリス学園長。』
「 何だい、A君。」
『 俺、文字が読めません。そして書けません。』
「 …それはまた、珍しいね？ 」
『 馬鹿にしてんだろ。』
間を置いて発せられた言葉には、しっかりと笑みが含まれていた。
ごめんごめん、と軽く謝ったイリスはAの横へと移動し紙とペンを受け取る。
「 全く世話が焼ける生徒だなぁ…それなら私が内容を読んであげるから答えてくれるかな。勿論、書き取りも私がするよ。」
『 助かります…。』
その後は、イリス学園長が読み上げる内容に答えられる範囲で答え10分程で紙が文字で埋まった。
英語にも見えるが、少し違う様でAの目には暗号にしか見えない。
「 よし、こんなものかな。」
『 終わりですか。』
「 うん、これで全部だよ。後は、クラスへの顔出しと入寮申請。あぁ、制服も必要だね。」
『 まだまだあるじゃねぇかよ。』
「 あはは、怒らないで？ 」
イリスと軽口を叩き合っていれば、コンコンとノックの音が室内に響いた。
来たみたいだ。と呟いたイリスはその人物を迎え入れる。
「 失礼します。お呼びですか、学園長。」
「 うん、授業中なのに申し訳ないね…クライン君。」
「 気にしないで下さい！ 」
それで…と続けられた言葉。
ちらりと視線が向けられた。
「 うん、大方の見当は付いているだろうけど…空組に編入生が入るよ。だから、彼に色々と教えてあげて欲しいんだ。」
『 …よろしく。』
イリスに背中を押され、クラインと呼ばれた青年の前に立たされる。
クラインは、じっとAを見詰めた後、人懐っこい笑みを浮かべた。
「 俺は空組のクライン＝ジルレット、よろしくな！ 」
『 クライン…俺は雪野A。よろしく。』
軽く握手を交わし、学園長室を後にする。
クラインは、赤…と言うよりは
「 んじゃ、今から空組に向かうな。」
『 ん。あ、クライン。俺、訳あって魔法使えないんだ…。』
「 マジで？ 」
『 マジで。』
瞳を大きく見開き、ぱちぱちと
そんな目で見ないでくれ。
俺だって瞬間移動とかやりたいんだから。
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花冠(プロフ) - 2017年…四年前の作品で良い物を見つけてしまった…！もっと先に見つけれたら更新されて行く楽しみが味わえたかも…。すごい読みやすいですし、設定が神です！チビちゃんかわいい… (2021年3月18日 13時) (
レス) id: 9f55fa5e42 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 雛菊さん» 有難うございます、とても嬉しいです…！これかも期待に応えられるように精進させて頂きますね！これからもご愛読、よろしくお願い致します！ (2017年12月1日 18時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 通知リストにあるかな〜と探すぐらい好きな小説です！とても読みやすくて大好きです！！ (2017年11月30日 18時) (レス) id: b475004931 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 風音迷夜さん» 沢山のお褒めの言葉…ありがとうございます！好きになって頂けてとても嬉しいです…チビは本当に人気がありますねw (2017年11月25日 16時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
風音迷夜 - ありきたりじゃない世界観に分かりやすい説明、この作品好きになりました！チビちゃんかわいいなもう！僕惚れちゃった←チビドラゴンにww (2017年11月22日 21時) (レス) id: b791237619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にじ
| 作成日時：2017年9月26日 0時
