同居生活13 ページ13
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片付けを終えた私達は、出掛ける為の準備を進めた。
杏寿郎さんにはお父さんの私服を。
今日は絶対に杏寿郎さんに似合う服を買うと決意した。
私も折角の
私はどちらかと言うと、ツリ目がちで。
かわいらしい服よりも格好良い、綺麗系の服装が似合うと思っている。
冬に近付く秋。
時折吹く風は、少しばかり冷気も帯びてきた。
七分袖の白いブラウスにミディ丈の黒いタイトスカート。そして、黒いセパレートパンプス。
最後に、ツルリとした手触りの赤いショルダーバッグを肩に掛ける。
ふふふ、首周りは少し緩めの服を選んだので抜かりはない!
『お待たせしました杏寿郎さん、行きましょう』
「……袖が短いのではないか?」
『普通です』
「……足も見え過ぎだろう」
『普通です』
「……首周りが、」
『杏寿郎さん、普通です。行きますよ』
まだ気になる所があるとでも言いた気な杏寿郎さんの腕を抱いてアパートの部屋を出る。
杏寿郎さんの為に電車に乗るので、最寄り駅を目指して二人で歩く。
見る物全てが目新しいのか、杏寿郎さんはあれはそれはと質問をぶつけてくる。
果たして、電車は大丈夫だろうか。
『杏寿郎さん、こっちですよ』
「ここは……」
『駅と呼ばれる場所で、電車……えっと列車に似たような乗り物ですね。それに乗る為の手続きをする場所です』
「ふむ、この切符を車掌さんに切ってもらうのだろうか?」
『切符の切り込みは乗る前に、専用の機械で……』
電車に乗る為の手順を教えれば、思いの外飲み込みが早くて次からは一人でも乗れそうな……と考えた所で無限列車を思い出し一人、胸を押えた。
当然ながら、電車と列車では違いがある訳で。
終始楽しそうな杏寿郎さんが見れて、ほっこりしました。
そうして無事に辿り着いたショッピングモール。
『それでは服と靴から見に行きましょう』
「うむ、それにしても人が多いな!」
『そうですねぇ。迷子にならないように手を繋ぎましょうか』
「俺は迷子にはならない!」
『腕を組む方がいいんですか?私はどちらでも、』
「手を繋ぐ方で頼む!」
うんうん、これで一安心である。
ないとは思うけれども、もし万が一、億が一にも迷子になってしまったら大変だ。
それに変な女が寄ってこないよう虫除けにもなるし、私も嬉しいので正しく一石二鳥なのである。
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chiaki0708(プロフ) - ムフフが止まりませんでした (2021年12月6日 14時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!好きな設定だと言って貰えて嬉しいです!雰囲気上手だと言って貰えて嬉しい限りです…更新は遅めですがこれからも頑張りますね! (2021年8月11日 12時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - この設定、素敵です!彼らの醸し出す雰囲気上手ですね。このお話に出会えて良かった! (2021年6月27日 21時) (レス) id: ca18a121f6 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - もしゃこうさん» 最高だなんて嬉しいです!私も書いていて楽しいので更新頑張ります!!ふふふ、ニヤニヤして貰えたのなら作者冥利に尽きますね!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 7fde5a79e3 (このIDを非表示/違反報告)
もしゃこう(プロフ) - めっちゃこのお話最高です!続きが気になります!そして自分はこれを読みながら1人部屋でニヤニヤしてますw (2021年2月8日 15時) (レス) id: eecce6b130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2021年1月18日 21時