episode.57 ページ8
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白ひげさんの言葉の意味を理解するまで数秒を要した。それは白ひげ海賊団の皆さんも同じ様で、一瞬の静寂の後、全員が同じタイミングで叫んだ。
『 あ、えっと…、』
「 オヤジ!Aは俺のだぞ! 」
「 お前のでもねェよい、エース! 」
「 グラララ!イイ女を目の前にして手ェ出さねェ方が失礼じゃねェか! 」
『 っ?!…し、白ひげさん! 』
既に慣れ始めたこの浮遊感。白ひげさんに抱き上げられた私は、熱を持つ頬を両手で包む。
こんなにストレートに気持ちを伝えられるのは何度体験しても照れるもので。
「 大体!オヤジとAじゃ歳も離れてるだろ! 」
「 人を好きになるのに歳なんざ障害にもならねェなァ!そうだろう、A? 」
『 あ、はい…そうですね…? 』
「 Aちゃん!何で同意しちゃってんの?! 」
『 え、え?すみません…? 』
白ひげさんから抱き上げられているせいで皆を見下ろす形になってしまう。
その後も、主にサッチさんとエースからの抗議の声が留まる事はなく。しかし、それをさらりと受け流し高らかな笑い声を響かせる白ひげさん。
それはマルコさんとイゾウさんが止めに入るまで続いた。
そして、現在私はマルコさんから借りた電伝虫の前でシャンクスさんへと連絡を取っていた。
「 マルコてめェ…!やってくれたなァ?! 」
『 ……シャンクスさん、私です 』
「 …Aっ?!おま、怪我は?! 」
『 大丈夫ですよ。急なお別れになってしまったので挨拶をと思いまして 』
どうやら赤髪海賊団の船員さん達が全員揃っている様だったので今までお世話になった感謝の気持ちを伝える。
『 あ、ベックマンさん 』
「 どうした 」
『 ベックマンさんの部屋に置いてある私の服、捨てないで下さいね? 』
「 フッ…当然だ。何時でも戻って来い 」
海軍本部に続き、赤髪海賊団にも私物を置きっ放し……いざと言う時は避難場所として使えるね。
ベックマンさんの返事にほっと息を吐く。
「 おい、白ひげ海賊団の奴ら耳の穴かっぽじってよく聞け! 」
『 ? 』
そして、シャンクスさんの大きな声が鼓膜を揺らす。
「 こいつは、Aは!俺の女だからな!絶対に手ェ出すなよ?! 」
『 わぁ…… 』
何を言うのかと思えば。よくもまぁ、そんな言葉を恥ずかしげもなく言えるものだ。
その言葉を発しているシャンクスさんよりも聞いている私の方が恥ずかしい思いをしている事に気付いて欲しい。
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レモン - 続編ないんですか?!すっごくこの作品好きなのに!4年もたってますが、更新期待してますっ! (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - マジで面白いです!続きお願いします! (12月21日 15時) (レス) @page50 id: 3de4771c26 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 長らく更新されてないようですがぜひ更新再開していただけると嬉しいです、、文才が天才すぎます、、もっと麦わらの一味と絡ませてほしいです、、完結までついていかせてください、、 (2023年2月12日 14時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
キエラ(プロフ) - 今日この小説見つけてめちゃくちゃファンになりました!!続編お待ちしております... (2022年12月3日 13時) (レス) @page50 id: cdb417a741 (このIDを非表示/違反報告)
員脚 - ぞ、続編が、無い、、、、だと、、、、!!好みドストライクで続きが楽しみなんです!!初コメ失礼しました (2022年8月31日 11時) (レス) @page50 id: a61a8e014c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2018年4月18日 22時