第53話【 メンバー1 】 ページ5
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最初に目に入ったのはゴツゴツとした岩場。
そして、周囲に居る数名の生徒。
急な変化にAは呆然と周囲を見渡す。
学園内にいたはずなのに、今は岩場と言うよりも急斜面とでも言うべきか。
落ちなかった事が奇跡だと思う。
さて、合宿はもう始まっているらしい。
クラインかジェイル、それか顔見知りが居ないかと視線を巡らすも見当たらない。
『 マジか。』
人見知りではないが、知ってる人が居ないこの状況はAも心細い。
確か、グループを3〜4人で作らなければならないと言っていた。
他の人は、と視線を向けるとある程度のグループが出来上がっていた。
当然だが、知り合いも居なく編入生という立場にあるAは周囲から距離を置かれている。
その為、向こうから人が来てくれるという事も余り期待は出来ないだろう。
『 声、掛けにくいなぁ。』
遠巻きに視線を送られ、話し掛けにくい雰囲気が出来上がってしまっている。
どうしたものかと苦笑いが零れた。
「 ねぇ。」
『 ん? 』
「 貴方、1人なの? 」
背後から声が掛けられ、振り向く。
が、誰も居ない。
首を傾げるAに、再度声が掛けられる。
「 こっちよ、下。」
『 あっ、ごめん…気が付かなくて…。』
「 大丈夫、慣れてるから。それより、貴方1人?」
Aの視線より更に下にちょこんと立って居る女生徒。
耳付きのフードを被り、見上げてくる姿は可愛いの一言に尽きる。
『 ん、知り合いが居なくて…。』
「 そう。それなら私と組まない? 」
『 いいのか?君は、友達とか…。』
「 平気よ。」
ふるふると頭を振った彼女は、Aの返事を待つ様に見上げてくる。
『 それなら、よろしく…えっと、』
「 ノエル。ノエル=マリック。」
『 ノエルな、俺は…、』
「 知ってる、雪野A先輩。お兄ちゃんからよく話聞いてる。」
『 お兄ちゃん…マリック…は、え?ジェイルの? 』
「 そう。」
フードから覗く髪は
まさかジェイルに妹がいるとは。
驚きの出会いに感心しつつ他のメンバーをどうするか考える。
『 なぁ、ノエル。他に目ぼしい人とかいるか? 』
「 いない。この合宿では仲の良い人が一緒にならない様に仕組まれてるから。」
『 何それ鬼畜。イリス最低。』
頼みの綱のノエルにも知り合いは居ないらしく、地道に組んでくれる人を探すしか手段がない。
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あこ - はいまた俺です()あぁぁまた続編ッッッ!!!!クッソ、興奮すr((((((黙れ 次も楽しみにしてます!御仕事無理せず、体調に気を付けて下さい!!更新はゆっくりでも待ってます!!楽しみのひとつとなっております!!えと、頑張って下さい!!() (2018年4月2日 18時) (レス) id: eb4bfbc582 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 流石イリスだ。わいの推し。 (2018年3月1日 4時) (レス) id: e853e23932 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ねむるさん» 他作品も読んで頂けるなんて…とても嬉しいです!ニヤニヤして貰える作品になっている様で嬉しく思います!2回も掛かったんですね…辛いです…。嬉しい告白を有難うございます…これからも頑張りますね!笑 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - あこさん» 好きだと言って頂けるのはとても嬉しいです、有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ーさん» 簡単な設定しか考えていませんが、次の続編で設定を入れさせて頂きますね。 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2017年11月26日 14時