三十四描き ページ21
ASide〜
『十四郎...?』
急に抱きしめられた驚きとともに感じる、温かい体温。
すこし苦い煙草の匂いは、十四郎らしさを感じるようで、心地よかった。
でも、何故急にこんな…?
「お前を…Aを他の野郎と一緒に居させたくねェ」
顔を上げると、十四郎の端正な顔立ちは顔を赤くしていた。
言われた言葉とその表情に、おそらく私もまた顔を赤くしてしまっているだろう。
「だが、」
十四郎は続けるように言った。
「お前はアイツ…総悟の事も描きてェんだろ?」
少し諦めたように苦笑する十四郎。
まあ、そう言われればそうだ。
『うん…
神楽ちゃんもだったけど、皆は素敵な思い出を話してくれるから…ね?』
___本当に、羨ましいぐらいに。
そう言うと、十四郎は何故か一瞬考えるような顔をした後、
「…そうか」
と優しく笑い、未だ抱き締めた体制のまま、頭を撫でてくれた。
少し安堵したのもつかの間、今度は耳元で、
「アイツを描き終わったら覚悟しろよ…?」
とさっきとは打って変わって妖艶に、低い声で言ってきた。
その言葉に、比べものにはならないぐらい顔が熱くなる。
さっき赤くなっていた十四郎は何処に行ったんだろう。
驚きからか、少し放心状態になっている私を十四郎は満足そうにみて妖しく笑い、
「じゃあな」
と背を翻して、もうじき沈みゆく夕陽の方へと向かっていった。
少ない夕明かりに照らされているからか、私の頬は未だ熱かった。
『…そうだ私お団子買いに来たんだった』
我ながら思うが、私はやっぱり十四郎一色で、頭の中は十四郎の事でいっぱいだった。
誰もいない店外で一人でそんなことを言って、目的を思い出す。
店に入ってお団子を持ち帰りで注文すると、
「お熱いわね〜やっぱり若いっていいわ〜」
と案の定そのような事を言われた。
お団子を包みながらも、おばちゃんは祝福してくれているように見えて、嬉しかった。
・
・
十四郎Side〜
___『皆は素敵な思い出を話してくれるから…ね?』
そう言った時のAの表情は、少し暗かった。
思えば、アイツは確かに人の過去を聞き出すのが上手い。
おそらく万事屋の所のガキもアイツに話したんだろう。
___でも、アイツ自身の過去は?
俺はまだ、その暗い表情からまだ何があったかは読み取れなかった。
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久々に書いたので文がおかしいかもです。
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みきたつ(更新停止中)(プロフ) - iceblast5さん» 返信遅くてごめんなさい、そしてわざわざコメント、ありがとうございます!貴方様も、どうか体調にお気をつけてお過ごし下さい! (2019年2月7日 21時) (レス) id: 58c2806fad (このIDを非表示/違反報告)
iceblast5(プロフ) - また読めて嬉しかったです!寒い日ばかり続きます、お身体ご自愛くださいませ(>_<) (2019年1月30日 23時) (レス) id: 69d49e1d20 (このIDを非表示/違反報告)
みきたつ(プロフ) - iceblast5さん» 待ってくれる方がいるのはありがたいです…本当にありがとうございます! (2018年12月13日 20時) (レス) id: 23625b9f72 (このIDを非表示/違反報告)
iceblast5(プロフ) - 自分が納得行く結果が出せるように集中してください(。>д<)待っていますね♪ (2018年12月13日 19時) (レス) id: 886ffa0a54 (このIDを非表示/違反報告)
みきたつ(プロフ) - 実花さん» ありがとうございます!!! (2018年12月7日 20時) (レス) id: dab6b26021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みきたつ | 作成日時:2018年9月29日 23時