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私は何をしにここに来たんだろう。




成人式を終えて、振袖から着替えて同窓会会場にやってきた。


ワンフロア貸し切ったらしいそこにちょっと遅れて来れば、高嗣の周りは可愛く着飾った女の子に占拠されていた。…まあ、予想どおりといったらそうなのだけれど。



彩美は綺麗な顔立ちと屈託のない明るさで高校時代から人気者で。それは今でも継続中。男子女子共々から声をかけられ忙しそうだ。



カウンターバーがあったのでそこに腰をかけてカシスオレンジを頼んだ。オレンジ色のお酒をジッと眺める。



カクテルドレスとはよく言ったもので、高嗣の周りにいる女の子のドレスは私が飲んでいるカクテルよりも綺麗に思えた。



女の子と楽しそうに話している高嗣を見ると、私のことなんて気づいてもいないんだろう。…来いよ、なんて言っておいて。



興味がないのなら私のことなんて放っておけばいいのに。無駄に期待なんかした私がバカだったのかもしれないけれど。



帰ろう、疲れたのかお酒が回ってきたし何より無駄な嫉妬をしてお酒を煽ってしまいそうだ。さっきから高嗣を見ながら飲んでいた酒が徐々に度数が高くなっていたのは既に煽っているからだけど、無意識に。





「帰っちゃうの?池波さん」




帰ろうとバッグを手に取った瞬間に声をかけてきたのは同級生で彩美の彼氏さんでもある千賀くんだった。…高嗣の親友でもある。



にっこり柔らかな笑みを浮かべてそのまま隣に座ってくる。



「…うん。もう帰ろうかな」


「どうして?来てから1時間経ってないんじゃない?」


「…疲れちゃったから」



そう言うと千賀くんは困ったように笑った。その視線の先には高嗣の姿。




「バカだなぁ…二階堂」


「え?」


「バカなくせに捻くれてるから、素直になれないんだね」



「そうなの、かな…」


「そうじゃない?昔から。…幼なじみ、なんだよね?」




そうか、彩美からある程度聞いてるのか。



「…もう何年もまともに話してないから。わかんないや」



どうして、高嗣なんだろう。高嗣を忘れられなくて、今も、どうして泣きそうなんだろう。

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sakadachi1111(プロフ) - 由貴さん» 長編に引き続きコメントありがとうございます!続編がありそうな短編ばかりで申し訳ないです…!頑張って更新していきたいと思いますので懲りずに見に来てやってくださいね! (2016年2月8日 7時) (レス) id: 781f4e9332 (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - こんばんは!!面白いです!!続きが気になります!! (2016年2月8日 1時) (レス) id: bf39404b50 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さかだち | 作成日時:2015年6月9日 10時

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