16、魔界で生きる ページ16
お弁当は明日の朝に作るとして、リード君にはお風呂に入ってもらった。
流石に制服は触れても下着類は無理だ。
リード君が脱ぎ捨てた制服を整えハンガーに掛けて、自分の部屋に戻った。
クローゼットの中には寝巻きと今着ている服が数着だけ。
なんか寂しいなとは思ったけれど、迷わない点ではいいか。
鏡の前にある椅子に座って紫がかった髪をとく。
この髪と、金色の瞳にはなんとなく慣れてきた。
眼帯を外して右目で見る。
今は私一人しかいないから能力は発動しないみたいだ。
右目でものを見れる感覚がなんだかむず痒い。
右目で、もっと見てみたいな。
＊＊
「羽、尾、耳、歯、か」
一言で言うと、悪魔の象徴と呼べるもの。
「私には無いもの」
ぽつりぽつりと言葉にする。
羽が無く、尾も無く、耳、歯は人間の頃と同じく柔らかであった。
自分が悪魔になったこともまだ信じられないが、悪魔になったと信じられる見える根拠が無いのだ。
使い魔召喚＿＿。
できなかったのは、この体が人間らしいからだろうか。もしくは、心が人間だからだろうか。
コンコン、と軽やかな音が聞こえた。
「A、入ったからね」
「はい、分かりました」
ドア越しに聞こえるリード君の声に、漫画の世界に、魔界に来たんだと痛感させられる。
私は、もうなにがなんでもこの世界で一生を生きていかなければならないのだ。
＊＊
「おはよう……早いね」
「おはようございますリード様。お弁当を作っていますから」
「そっか！ 今日はAの料理が昼も食べられるんだもんね」
「ええ。ご希望でしたら明日からもお作りします」
……少しだるい。
二日続けて魔力が底を尽き倒れ、ゲームをした(ゲームは私がやると決めたからそんなこと言えないのだが)からか、十分寝たつもりでも体が重い。
お弁当を作るための早起きと悪魔について考えていて寝るのが遅くなったのも追加か。
(だるい理由ありすぎ)
今日からはちゃんと気をつけなければ。
＊＊
三日目の歩いての登校も、羽が無い私へのリード君なりの優しさなんだと思う。
悪魔とは言えない外見の悪魔と接しているリード君は何も疑問を持たないのだろうか。
そんなことを考えていたら、既にバビルスの門を通っていた。
「おはよー」
「おはようジャジー！」
「おはようございます」
ジャズ君が飛んで合流する。
見てると飛びたくなるけど、悪魔になった今でも飛ぶことはできない。
「A？」
ジャズ君に名前を呼ばれたので振り向いた。
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ゆめの - コメント失礼します(о´∀`о)凄く面白いです！更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年3月30日 10時) (
レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 真澄さん» コメントありがとうございます！分かりますジャズ兄欲しいです……笑オペラさん目指して頑張ります！！笑題名変えまくってわかりにくいと思いますがこれからよろしくお願いします！ (2020年3月13日 21時) (レス) id: a02d417bc2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - とうふさん» コメントありがとうございますーー！！神なんて、そんなこと言われたら嬉し泣きしちゃいます！！題名変えまくってるのでこのコメントが届くかは分かりませんがよろしくお願いします！！応援嬉しいです！！ (2020年3月13日 21時) (レス) id: a02d417bc2 (このIDを非表示/違反報告)
真澄 - はじめまして〜。読んでたら、ジャズみたいなお兄ちゃんが欲しいと思いました。あと、基準がオペラさんwww (2020年3月13日 16時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
とうふ - リード君とジャズが尊い！尊すぎる！こんな神作を書けるなんて…りんごさん……貴方、神ですか!? 神なんですねっ!? 更新、頑張って下さい!これからも応援(?)していきます！(`・ω・´)ノ (2020年3月12日 21時) (レス) id: 093734a85d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2020年2月7日 17時
