11、お兄ちゃん ページ11
＊＊
「ほんっとうに申し訳ありませんでした！」
「えっ、顔上げてよA」
「そーそ、別になんもしてないだろ」
(したから謝ってるんです)
ここは医務室。
入学してから二回目だ。
「リード様をお慕いしているのにもかかわらず軽率な話し方をし、またもや私の不注意であるのに看病をしてくだ「ストップ！」……!?」
「そんなこと気にしてないって」
土下座をして誠心誠意謝ると、途中で遮られた。
許してくれるリード君。なんて優しいのだろう。
「俺には何もねぇのな」
「……」
先程倒れたのは、ジャズ君の記憶を見たわけで。
(ジャズ君、お兄ちゃん欲強いんだよね)
「ほぼほぼA運んだの俺なのに」
絶対になにか見返りをさせようとしている。
ちらちらと私の方を向きながら言うのがその証拠。
なにかいい見返りは……。
「……ジャズ兄」
ジャズ君とリード君の動きが止まった。
「情報」によると、ジャズ君はお兄ちゃんと呼ばれたいらしいから、これくらいが丁度いいだろう。
「……え、今、なんて」
ジャズ君のこちらを指さす手が震えている。
そんなに驚くことだろうか。
「ジャズ兄」
今度は"兄"を強調して言ってみる。
「ジャズ兄……お兄ちゃん……我が妹！」
「妹じゃないです」
「ちっ」
「ねージャジーだけ兄呼びずるいんだけど！ 僕もお兄ちゃんがいい」
(……呼びたい！ すっごく呼びたい！)
主従関係である以上"様"以外では呼ぶことができない。
けど、ものすごく呼びたい。
嬉々としているリード君、兄呼びに感激しているジャズ君、そして下をグルグルと見ながらしどろもどろする。
「一回だけ呼んでみたら？」
リードも兄みたいな存在だろ、と付け加えられる。
これは……呼ぶしかない。
「……リード兄」
「ありがとうございます……」
「あっリードがダウンした」
見事に倒れたリード君を隣のベッドに移動させる。
ジャズ君が椅子に座り直したかと思うと、直ぐに口を開いた。
「なぁ」
何故か、悲しそうな顔だった。
「なんでしょう」
「記憶、無くなったって」
「はい。戻りましたけどね」
「だから、使い魔召喚出来なかったのか？」
……そうかもしれない。
持っているのが、悪魔の記憶じゃなくて人間の記憶だから、召喚できなかったのかも。
「見て、たんですね」
「……まぁな」
私が泣いたのを、ジャズ君は困惑せずに受け止めてくれていたから分かっていた。
けど、実際見られていたと思うと。
ポン、と頭上に重みを感じた。
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ゆめの - コメント失礼します(о´∀`о)凄く面白いです！更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年3月30日 10時) (
レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 真澄さん» コメントありがとうございます！分かりますジャズ兄欲しいです……笑オペラさん目指して頑張ります！！笑題名変えまくってわかりにくいと思いますがこれからよろしくお願いします！ (2020年3月13日 21時) (レス) id: a02d417bc2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - とうふさん» コメントありがとうございますーー！！神なんて、そんなこと言われたら嬉し泣きしちゃいます！！題名変えまくってるのでこのコメントが届くかは分かりませんがよろしくお願いします！！応援嬉しいです！！ (2020年3月13日 21時) (レス) id: a02d417bc2 (このIDを非表示/違反報告)
真澄 - はじめまして〜。読んでたら、ジャズみたいなお兄ちゃんが欲しいと思いました。あと、基準がオペラさんwww (2020年3月13日 16時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
とうふ - リード君とジャズが尊い！尊すぎる！こんな神作を書けるなんて…りんごさん……貴方、神ですか!? 神なんですねっ!? 更新、頑張って下さい!これからも応援(?)していきます！(`・ω・´)ノ (2020年3月12日 21時) (レス) id: 093734a85d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2020年2月7日 17時
