1、始まり ページ1
今日もベットにへばりついた体を起こしながら、私はため息をついた。
今日は平日。だけれど、学校なんて行く気力もない。
生まれた時から右目を失明していた。
瞼の開閉も簡単に出来る。眼球も動かせる。ただ、他人にはどこを見ているのか分からない虚ろな目として映るのだそう。
眼帯をつけても、他人からは気味が悪いなどと誹謗中傷の嵐で、学校に行きたいなんていう欲は既になくなっていた。
私の暇を潰すため、母は本を買い与えてくれる。
小説九割、漫画一割。
その漫画一割は、『魔入りました!入間くん』という漫画だった。
実は活字だらけの小説はあまり好きではなく、大体はそれだけを何回も読みふけっている。
もう一度読み直そう。この漫画は私のつまらないを消してくれる。
「最新巻、買ってきたわ」
ふふと笑みを零した。
もう、お昼を過ぎそうだ。
＊＊
昼食を手早く済ませ、すぐに部屋へ戻る。
そして、早く読み直しをするため漫画を数冊持って、ベッドに仰向けで寝転びページを開く。
「……眠いなぁ」
開いたり閉じたりを繰り返す目を起こすため、片手を離し瞼を擦った。
漫画を片手で支える。
手のバランスが崩れ、漫画が顔に向かって落ちてくる。
今思えば、その行為がこれから始まる世界の引き金だっだ。
＊＊
バチッと頭の中で変な音がした。
衝撃に目を開くと、視界には大きな大きな城が映っていた。
下を見ると、黒を基調とした質素な服を着て、焦げ茶色の鞄を持っていた。
しかも腰はゆうに超えていた長い黒髪が、今は肩までの紫がかった黒の艶々した髪になっている。
これだけでも驚くというのに。
眼帯から、光が見える。
今まで、右目でものを捉えたことがなかったから、敏感になっていたのかもしれない。
眼帯を外した。
ギィィィィンと耳障りな音が響き、私は咄嗟にしゃがみこみ、耳を塞いだ。
それでも音は止むことなく、少しすると声が聞こえるようになった。
(あーまじ学校めんどー)
(絶対目立たないようにしないと……)
(これからここに通うのか。しっかりしよう)
様々な男女の声が聞こえては消える。
「おい、A!?」
前を歩いていたであろう男の子が、閉じない視界の先で走ってくるのが見えた。
なんで、音が響き続けるの。無理。耐えられない。
刹那、音が何事もなかったかのように消えた。
「大丈夫か？ 眼帯取っちゃ駄目っていつも言って＿＿」
両耳が黒くなった彼と目が合うと、完璧なる静寂に包まれた。
目が、離せなかった。
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ゆめの - コメント失礼します(о´∀`о)凄く面白いです！更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年3月30日 10時) (
レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 真澄さん» コメントありがとうございます！分かりますジャズ兄欲しいです……笑オペラさん目指して頑張ります！！笑題名変えまくってわかりにくいと思いますがこれからよろしくお願いします！ (2020年3月13日 21時) (レス) id: a02d417bc2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - とうふさん» コメントありがとうございますーー！！神なんて、そんなこと言われたら嬉し泣きしちゃいます！！題名変えまくってるのでこのコメントが届くかは分かりませんがよろしくお願いします！！応援嬉しいです！！ (2020年3月13日 21時) (レス) id: a02d417bc2 (このIDを非表示/違反報告)
真澄 - はじめまして〜。読んでたら、ジャズみたいなお兄ちゃんが欲しいと思いました。あと、基準がオペラさんwww (2020年3月13日 16時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
とうふ - リード君とジャズが尊い！尊すぎる！こんな神作を書けるなんて…りんごさん……貴方、神ですか!? 神なんですねっ!? 更新、頑張って下さい!これからも応援(?)していきます！(`・ω・´)ノ (2020年3月12日 21時) (レス) id: 093734a85d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2020年2月7日 17時
