【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ17)

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Mysterious dream① ページ17

数日後

悟空「…A？おーい、A〜」

「！なに…？」

悟空「大丈夫か？最近ずっとボーッとしてんじゃん」

運転中のお兄ちゃん以外の視線が集まる

「あー…ちょっと考え事してて」

悟浄「何何？もしかして“男”のコト？」

スパーンッ

三蔵のハリセンが悟浄の頭を直撃した

悟浄「ってぇー！」

三蔵「てめぇは黙ってろエ〇河童！」

悟空「じゃあ、今夜のメシの事とか！？」

「あ、それも考えてた。何食べたい？」

悟空「うーん…あれも食べたいし、これも食べたいし…Aが作るの何でもウマいから迷うなぁ…」

三蔵「二人して話逸らしてんじゃねーよ」

溜め息を吐く三蔵に、お兄ちゃんはクスリと笑う

八戒「それで…結局、何を一番考えてたの？」

「…夢のこと」

八戒「夢…？」

皆は首を傾げた

「最近、よく夢を見るの。でも、起きたら何の夢だったか全く覚えてなくて…」

悟浄「夢ってそんなモンじゃね？」

「ん〜…なんとなくだけど、ただの夢じゃない気がするの。もしかしたら、失った記憶の一部かもしれない」

皆の顔色が若干変わる

「…なんてねっ！そもそも内容覚えてないんだから何とも言えないし」

明るく話してみたものの、重めの沈黙が広がった

悟空「…そういや最近、A寝苦しそうだよな。魘されてる、まではいかねーけどさ」

八戒「それは僕も気になってたんですよね。旅の疲れもあるでしょうけど…」

悟浄「一回、寝る環境変えてみたら？例えば、八戒じゃなく俺と寝るとか」

三人「「「それはない/です」」」

息ピッタリ

悟浄「何でッ！？」

「そもそも私、お兄ちゃんと一緒じゃないと眠れない」

八戒「ふふ。という事なので諦めて下さい、悟浄。僕もAがいないと安眠できませんし」

お兄ちゃんの周りにキラキラお花が見える…

悟浄「はいはい、知ってるってーの。言ってみただけ」

三蔵「満更でもなさそうだな」

八戒「えぇ。兄冥利に尽きるというものです」

悟空「…あれ？でも前、悟浄に寄りかかってメチャクチャ熟睡してなかったっけ？」

「あ、そんな事もあったね」

すると、その場が凍り付いた

三蔵「…だがあの時は、既に眠ってる状態のAを悟浄に“預けただけ”だからな」

悟空「確かに。あんな無防備な状態じゃ、俺のとこでも三蔵のとこでも変わらなかったかもな！」

八戒「…元はと言えば、あの戦闘の後にしっかり寝かし付けたのは僕ですし」

悟浄「…ソーデスネ」

よく分からない空気感に、私は首を傾げた