【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ1)

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Go to the West① ページ1

天地乱(いりまじ)る混沌の時代────

人と妖怪が共存を果たす平和の地が在った

そこはまさに文明と信仰の源

“桃源郷(とうげんきょう)”と呼びなわされていた……

悟空「…おい三蔵、まだ着かねーの？腹減って動けねーよーっ！なーってばあ」

パンッと煩い奴の頭をハリセンで叩く

悟空「いてっ」

三蔵「やかましいわっ！＃」

ハリセンをしまい、思わず溜め息を吐いた

三蔵「ったく…普段は殺しても死なねークセに」

悟空「俺、充電式なんだもん」

三蔵「イバんなッ」

悟空「やっぱ八戒のジープで迎えに来てもらえば良かったじゃんかよー！」

そうボヤく奴を今度は足でげしげし踏みつける

三蔵「うるせーなッ！もう少しで着くだろ、歩けバカ猿！＃」

悟空「っ…大体、なんで急に悟浄と八戒とAに会いに来たんだよ？」

三蔵「…確かめたいことがあるんだ…」

─────

五日前
長安・斜陽殿

三蔵「北方天帝使、玄奘三蔵。参上致しました」

三仏神「よく参った、三蔵。事は一刻を争う。急いてすまんな」

三蔵「…いえ」

三仏神「既に知っておろう。この世界を侵食する“異変”について。西方から東方へ…今やその被害は桃源郷全土に渡る。全ての妖怪における、突然の凶暴化…及び自我の損失」

三蔵「いかにも。今や人間は妖怪に怯えながら、死と隣り合わせの恐怖の中に日々を生きております…「桃源郷」とは名ばかり…さながら地獄絵図の様。一体、何が元凶にあるのでしょうか？」

三仏神「…そなた、「牛魔王」を知っておるか？その牛魔王が何者かによって、蘇生されようとしている。しかも、禁断の汚呪とされている「化学と妖術」の合成によって───」

悟空「禁断？───なんで？」

三蔵「何が起こるか解らないからだ。元々、化学と妖術は相入れぬもの───人間と妖怪の交配(まじわり)が禁忌(タブー)とされているように、あらゆるバランスを崩すマイナスの波動を発することになる」

三仏神「玄奘三蔵よ、そなたに命ずる。そなたが過去を共にした悟空・悟浄・八戒・Aを連れ、西域・天竺へ向かえ」

三蔵「御意」

悟空「えーと…つーまーりー、俺達でそこへ行って実験止めさせりゃあイイんだろ？楽勝じゃん！」

悟空のお気楽さに盛大に溜め息を吐き、顔に手を当てる

三蔵「お前な…いー性格…」

─────

悟空「で、三人に確かめたいことって？」

三蔵「それは…」

ガサッ

話そうとしたところで、妖怪が襲ってきた