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日も沈みかけて、
ひとりで。何度か躓きながらも悟たちが待っている車の方へと歩く。
頭の中に先程の出来事がフラッシュバックする。
｢Aちゃんのバカ。無視しないでよ。本当に悲しかったんだから｣
『うん。ごめんね』
廃墟ビルの間を風が通り抜け、髪が靡いた。
｢記憶が戻らなかったとしても、いつかまたAちゃんと会いたいな。街とかで見かけたら話しかけてよ｣
『ダメ。そんなことしたら記憶が戻っちゃうかもしれないじゃない』
｢大丈夫だよ私馬鹿だから。それに記憶力ないし｣
彼女は照れ臭そうに笑った。
その笑顔を思い出して、また涙がこぼれ落ちる。
私は祖父の目を盗んで、おもむろに取り出した
それは血で書かれた文字の部分と切り離されているので、なんの効力も持たない和紙同然である。
｢これって……｣
『あ、えっと』
彼女にお礼がしたい勢いで渡したはいいが、きょとんとしている茅乃になんて言おうか迷った。
『…これは』
｢栞でしょ？公園で言ってた｣
『……うん、そう。ただの栞』
茅乃は深く尋ねるわけでもなく、大事そうに持って｢ありがとう｣と呟いた。
『色々と黙っててごめん』
｢いいってば、私だって言ってないことあったし｣
そう言って茅乃は車に1度だけ目を向けた。
『それから…今までありがとう』
｢……うん。私こそ。ありがとうね｣
彼女は涙を流しながら、そっと微笑む。
私も負けじと精一杯口角を上げた。
______バイバイ。
【
花言葉は、"治癒"____"貴方の微笑み"
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怠慢のにぼし(プロフ) - 緑の白猫さん» ご感想ありがとうございます！そう言っていただけて、構成に頭を悩ませた時間も無駄ではなかったのだと嬉しく思います。 (2021年2月23日 22時) (
レス) id: 8a1e62ce6d (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - ストーリーの構成も上手いし、時間軸の移動の仕方も上手いしで…。堪らなく大好きな一作です! (2021年2月23日 21時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - 琥珀さん» こちらこそ初めまして(*´ч ` *)こちらは五条悟オチになります。嬉しいお言葉ありがとうございます！本当に励みになります (2021年1月20日 10時) (レス) id: 8a1e62ce6d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 怠慢のにぼしさん初めまして、この小説は五条悟オチですか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月20日 10時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怠慢のにぼし | 作成日時：2021年1月19日 20時
