13 ページ3
「お前のセンス婆ちゃんかよ」
買い物をし始めて5分も経たない頃、私がポイポイとカゴに入れていくお菓子を見ていた彼が呆れたようにそう言った。
『は?どこがですか』
「いや、だってお前…小学生が選ぶお菓子でモナカとか煎餅はないだろ」
カゴに視線を落とすと、中にはモナカや煎餅の他にかりんとう饅頭など祖父が良く買っているものが入っていた。
何がおかしいのかと首を傾げる。
『美味しいでしょう。どっちも』
「美味いだろうけどさ……なんかなぁ」
自分のセンスを笑われたのも含めて歯切れの悪い彼を睨むと苦笑いされた。
「お前くらいの年齢ならもっと子供っぽいモンを選ぶんだよ。ポッキーとかポテチとかな」
『え、本当ですか?でも私、同世代の子がどんなもの買ってるか分からないです』
友達と呼べる存在はいるが、呪術の訓練や勉強ばかりで今まで悟以外の人と遊んだことも帰り道にお菓子を買いに行ったこともなかった。
「よし。じゃあこうしような?俺が良さそうなやつ見繕ってやるからお前はそれ見て学んどけ」
『…まあいいですが、変なの選ばないでくださいよ。友達も食べるんですから』
「絶対お前よりはマシだよ」
私の手を掴んで茶請けに良さそうな和菓子コーナーから、隣で「買ってぇ!!」と子供が親に駄々を捏ねているのが見受けられた洋菓子、小物菓子コーナーに連れていかれる。
「……ちょっと待った悟。それはよくない」
商品棚の影から悟と同じ制服を着た背の高いボンタン姿の高校生が出てきて、制止するように彼の肩を掴んだ。
『……誰?』
292人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怠慢のにぼし(プロフ) - 緑の白猫さん» ご感想ありがとうございます!そう言っていただけて、構成に頭を悩ませた時間も無駄ではなかったのだと嬉しく思います。 (2021年2月23日 22時) (レス) id: 8a1e62ce6d (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - ストーリーの構成も上手いし、時間軸の移動の仕方も上手いしで…。堪らなく大好きな一作です! (2021年2月23日 21時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - 琥珀さん» こちらこそ初めまして(*´ч ` *)こちらは五条悟オチになります。嬉しいお言葉ありがとうございます!本当に励みになります (2021年1月20日 10時) (レス) id: 8a1e62ce6d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 怠慢のにぼしさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月20日 10時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:怠慢のにぼし | 作成日時:2021年1月19日 20時