ひっそりと暮らす筈だったのだが。2【転生したらスライムだった件】 (ページ39)

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86話｢悪魔より鬼｣ページ39

｢……来いっ下位悪魔(レッサーデーモン)……！｣

彼の呼び掛けに応じて巨躯(きょく)の、羊のような頭を持つ悪魔が召喚される。

｢おお……｣

『これが……悪魔…？』

｢ギド！ギルマス呼んでこい！｣

｢へい！｣

カバルがギドにフューズを呼ぶように命令する。

ジーギスは、

ジーギスは……満身創痍であった。

白目を剥いている。
果たして大丈夫なのかあれは。

｢さ……さぁ決めろ。戦うか否か。｣

少し前までの歴戦練磨の顔つきはどこかへ行ってしまった。

｢そんなの決まってる。魔法の連続行使であんたはもう精神力が尽きかけてるだろ｣

｢ふん……子供に見破られるとは情けないな。｣

顔に出てるのよ。

｢すぐ楽にしてやる。試験を受けよう。｣

リムルはそう言ってマントを脱いで、刀を抜く

｢……よくぞ言った。下位悪魔(レッサーデーモン)！！｣

召喚者の呼び掛けに悪魔はリムルに突っ込む。

それを回避して刀を斬りつける。が。

真っ二つになったはずの身体は瞬時に再生する

いや、元々切れてないのかもしれない。

精神体なのだろうか？それならエレンが言っていた"不利な相手"の意味も理解出来る。

｢水氷大魔槍(アイシクルランス)！！｣

リムルが魔法を撃ち込む。
悪魔の顔の表面が少し凍るだけのようだ。

｢……魔法の効きもいまいちか｣

そう呻くリムルに悪魔が攻撃を仕掛ける。

悪魔が彼に気を取られている内にライフルを具現化させ、構える。

『_____いくら精神体と言えど、生命体の原動力は核にあるエネルギー…』

引き金(トリガー)に指をかけ、撃つ。

発射された弾丸(高エネルギー)が悪魔の体内へと侵入する。

『…核のエネルギーに干渉する弾丸(高エネルギー)には耐え兼ねるんじゃない？』

急激な体内のエネルギー変化により悪魔の動きが止まる。

それを見計らってリムルが工夫を加えた刀で悪魔の首を____斬った。

《告。エクストラスキル"絶対攻撃"を獲得。
精神生命体にも同一の攻撃が可能となりました》

｢それで、ジーギスさん。Ｂランクは合格か？｣

｢……へっ憎たらしい小娘共だ。｣

『……ふふ』

｢俺は女じゃないんだけどな｣

｢……どうなっておるのだ。この騒ぎは。｣

｢あっえっとでやすね……｣

__入口に、鬼の形相のフューズが立っていた